ジャック・アタリが語る日本の「21世紀の歴史」の課題
書籍では日本語版序文として、「21世紀の日本の課題」を語っています。シリコンバレーに続く「第10の中心都市」としての可能性があったにもかかわらず、現在も「中心都市」になれてない。
その理由としては、第一に既得権益の問題を打破出来なかったこと。第二に海洋を掌握できなかったこと。第三にクリエイター階級の育成ができなかったこと。そんな日本の「21世紀」に必要なこととして、高齢化への対処、近隣のアジア諸国への敵意への対応、収益性の高い産業の育成、地理的な特性を活かしてアジア・アメリカ・オセアニアとの交差点として機能することが必要だとしています。そのまとめとして、日本の課題を10ほど列挙しています。
- 中国からベトナムにかけての東アジア地域に、調和を重視した環境を作り出す
- 日本国内に共同体意識を呼び戻すこと
- 自由な独創性を育成すること
- 巨大な港湾や金融市場を育成すること
- 日本企業の収益性を大幅に改善すること
- 労働市場の柔軟性をうながすこと
- 人口の高齢化を補うために移民を受け入れること
- 市民に対して新しい知識を公平に授けること
- 未来のテクノロジーをさらに習得していくこと
- 地政学的思考を念入りに構築し、必要となる同盟関係を構築すること
10年前近くに書かれたとは思えないような未来への洞察が、本書『21世紀の歴史』にあると思いませんか。今から読んでも未来を先回りすることを可能にすると思いますので是非、購入して実際に読んでみてください。