超帝国の「ヒエラルキー」、国家なき市場の「ガバナンス」
いつの時代も富はその時代の権力者に集中し、現在の資本主義下でも「エリート層」に富は集中します。その配分を公平にすることを目的として始まったはずの「市場民主主義」では、第一の波の時代に「民主主義なき市場」として、「市場の秩序」がほぼ唯一の価値観として社会システムが構成されはじめ、著者もその危険性を語ります。この「超帝国」の時代では、どのようなヒエラルキーが存在するとしているのか。著者の主張をみていきましょう。
「超帝国」の支配者として「超ノマド」が登場するとしています。超ノマドとは、劇団型企業やサーカス型企業のスターであり、具体的には、サーカス型企業の所有者、金融業や企業の戦略家、保険会社や娯楽産業の経営者、ソフトウェア設計者、スマートフォンなどに代表されるような携帯型のヒットプロダクトの開発者、などを挙げています。この「超ノマド」が時代の支配的な存在になるとしています。