フローとストックの違い、そして大富豪の「合法的な非課税ルート」
ユニバーサル・ベーシック・インカムとは「フロー」である。月々の給与がフローであるのと同じだ。それに対して、ユニバーサル・ベーシック・インベストメントとは「ストック」である。株式など金融資産がストックであるのと同じだ。フローの良いところはキャッシュとして日々の生活費に充当できることだ。だが、所得税や消費税など課税対象になる。ストックは日々の生活費にすぐに充当できないが、売却などしない限り課税対象にならない。
バフェットは節税措置にも長けている。含み益がある株式を売却すると約20%超のキャピタルゲイン税(譲渡益税)がかかる。しかし、バフェットが「保有期間は永遠が理想的」というように売却しない限り課税されない。そして、それを財団(ビル&メリンダ・ゲイツ財団など)に寄付する。この寄付も政府が認可した適格な慈善財団やNGOへの寄付であれば、いくら巨額であっても贈与税は1ドルもかからない。これを「非課税ルート」と呼ぶ。
この合法的な非課税ルートを使ってバフェットからビル・ゲイツにお金を渡して、彼らがやりたい事業にお金を回している。税金を一切払うことなく莫大な資金を動かして好きなことをする。もちろん、慈善事業なので社会貢献していることになっている。
これは余談だが、マーク・ザッカーバーグの給与が年額1ドルだと言われている。給与をほぼゼロにすることで、所得税(連邦最高税率37%:州税を合わせると40~50%近くになる地域もある)を回避して、自身の資産の大部分を自社株(Meta株)で保有することで節税できるからだ。株式売却時の売却益に対する連邦税率は最高20%。所得税の半分程度とお得な税率だ。
日本国憲法が強いる「総労働者化」と、資本家優遇の現実
日本国憲法第27条1項は、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」としている。慶應義塾大学経済学部太田聰一教授によると「旧ソ連のスターリン憲法に倣ったもので、国民を総プロレタリアート「労働者」化せよ、という社会主義の発想に近い」とのことだ[1]。
私たちは、日本国憲法の規定によって「労働者」として働き続け、そして、高い所得税率で税金を払う義務を負う。憲法側の視点に立てば、国民を働かせて税金を納めさせる。それを義務として規定している。日本の所得税の最高税率は45%。それに対して株式売却時などの税率は約20%強なのだ。米国と同様に所得税率の方が高い。一般の人々よりも「資本家・資産家」が優遇されているように見える。
[1]慶応義塾大学 通信教育課程 教員コラム「「勤労の義務」について考える」
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