SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

CFO インサイト

NEC雨宮CFOと語る人的資本とAI資本の最適配分。全員AIの新組織で描く次世代コーポレート組織とは

ゲスト:日本電気株式会社 取締役 代表執行役副社長 兼 CFO 雨宮邦和氏

  • Facebook
  • X

 「AIに仕事が奪われるのではない。AIを使いこなす人に、仕事が奪われるのだ」──生成AIをはじめとするテクノロジーの激変期において、多くの企業がコーポレート部門のあり方や人の価値の再定義に頭を悩ませている。SIerから「AIネイティブカンパニー」へと劇的な変革を推進する日本電気(以下、NEC)では、2026年8月1日付で部門長から社員まですべての役割をAIが担う自律型組織「コーポレートAI・Workforce部門」を立ち上げた。今回、日本CFO協会 エグゼクティブ・フェローの日置圭介氏が、NECの副社長 兼 CFOを務める雨宮邦和氏にインタビュー。営業やパブリック領域など現場の最前線を歩んできた雨宮氏に、2030年に向けた成長戦略「2030中期経営計画」の要点と、AI資本と人的資本を融合させた次世代CFO・コーポレート組織の進化論を聞いた。

  • Facebook
  • X

営業・パブリックで培った視点からコーポレート全体の変革へ

日置圭介氏(以下、日置):雨宮さんは1991年に入社された後、現場の営業職や金融システム領域、パブリック領域など事業側で長年にわたり大規模プロジェクトをリードされてきました。財務・経理プロパーではない雨宮さんがCFOおよびコーポレート全体の責任者に就任された背景や、そのご経験がどう活かされているかお聞かせください。

雨宮邦和氏(以下、雨宮):私は入社後、本社の営業スタッフを経て、多様な業種を担当したく自ら希望して山口支店に赴任しました。その後、約16年間にわたり金融システム領域を担当し、直近までパブリックBU(ビジネスユニット)のトップとして中央省庁や行政のDX、マイナンバー関連事業などを率いてきました。前任の藤川(藤川修氏)も金融出身ですし、社長の森田(森田隆之氏)もM&Aなどのバックグラウンドを持っています。私自身も純粋な財務・経理畑の出身ではありません。

 今回、副社長 兼 CFO(最高財務責任者)としてコーポレート部門の統括を任された背景には、経営陣から「事業の現場視点と変革の感覚を持って、全社をより広い視野でドライブしてほしい」という意図があるのだと感じています。現在では財務・経理だけでなく、コーポレート機能全体を管轄しています。優秀な部下やスタッフに恵まれているからこそ、私は全体の統括やAI活用による高度化などの変革推進に注力できています。

画像を説明するテキストなくても可
日本電気株式会社 取締役 代表執行役副社長 兼 CFO 雨宮邦和(あめみや くにかず)氏
1991年NEC入社。国内支店での営業職を経て、17年間にわたり金融システム領域に携わり大規模プロジェクトを成功に導く。2019年執行役員就任。中央省庁・パブリック領域のビジネスをリードし、マイナンバー関連や行政DXを推進。2026年4月より現職。コーポレート機能全体の責任者として企業価値向上とAI活用による高度化を牽引する。

目標は営業利益倍増──「2030中期経営計画」とキャピタルアロケーションの真意

日置:2026年5月に発表された「2030中期経営計画」では、Non-GAAP営業利益率20%程度や利益の倍増など、非常に高い目標が掲げられています。この新中計の戦略的要点とキャピタルアロケーション(資本配分)の考え方について伺えますか。

雨宮:2025中期経営計画での過去最高益達成を経て、今回の2030中計はこれまでのターンアラウンド(事業再生)のフェーズから完全な「成長」のフェーズへと舵を切るものです。Non-GAAP営業利益を2025年度比で倍増させるという非常に高い目標を設定しています。

画像を説明するテキストなくても可
画像出典:日本電気株式会社「2030 中期経営計画」(2026年5月12日)/クリックすると拡大します

 戦略の柱は、AIの社会実装を中心とする「ITサービス」と、新たな安全保障の技術実装を中心とする「社会インフラ」の2軸です。従来のSIer(システムインテグレーター)から、自社がゼロ番目の顧客として最先端技術を徹底活用する「クライアント0(ゼロ)」のスタンスへ転換し、構築(SI)だけでなく上流のコンサルティングから下流の運用(オペレーション)までEnd to Endで顧客価値にコミットするビジネスへ移行します。

 成長投資についても、2030年度末までに最大1.2兆〜1.3兆円規模の成長投資余力を想定しており、高値掴みをしない厳しい投資基準(Cash ROIC評価など)と規律を持ちながら、積極的なM&Aや成長領域への資本投下を行っていきます。


画像を説明するテキストなくても可
NEC雨宮CFOと日置圭介氏が登壇する「Biz/Zine Day 2026 Autumn」(10月8日開催)

次のページ
「クライアント0」を体現するAI戦略──価値提供構造の変化と収益性向上のメカニズム

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X

Special Contents

PR

Job Board

PR

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング