AI時代を生き抜くための「複利の力」
いま、足元の日経平均は6万4,000円台である(2026年10月29日現在)。機関投資家や識者の中では「日経平均10万円も現実的だ」という意見が増えてきた。AI時代の過渡期に職を失う人もいるだろうが、「複利の力」を踏まえて新たな基本的人権「投資権および複利享受権」を創設すれば、経済成長の恩恵をすべての国民にもたらすことが可能だ。
私は、AI時代の成功法則の必要十分条件として、「複利の力」を位置付けたい。なぜなら、貯蓄から投資への掛け声は良いものの、「株に投資しないリスク」についてはその認識が十分に浸透していないからだ。『「日経平均10万円」時代に備えろ』には以下のような記載がある。
もう一点、AI革命が本格化する時代には、「株に投資をしていないこと」そのものが大きなリスクになりうる、という視点も持っておく必要があります。
2026年2月、米調査会社Citrini Researchが公表した“The 2028 Global Intelligence Crisis”というレポートが大きな話題を呼びました。このレポートは、AIの急速な普及によって企業が業務効率化を進め、人の採用を減らしたりリストラをしていく未来を描いたものです。そこで問題にされていたのは、「AIの導入が企業収益にはプラスでも、家計や消費には深刻なマイナスをもたらしかねない」という点でした。
人の採用を減らせば、企業の人件費は下がり、その分だけ利益率は高まりやすくなります。これは、株価には追い風です。しかしその利益は、以前と同じように広く賃金として配分されるとは限りません。職を失った人や賃金の伸びが抑えられた人は、当然ながら、消費を控えざるを得なくなります。
出典:藤野英人『「日経平均10万円」時代に備えろ』
AI時代に企業収益がプラスになったとしても、労働から押し出された人たちが困窮するのでは本末転倒だ。人件費削減でレイオフが活発化し、一部の資本家のみがテクノロジーの恩恵を独占する結果、家計を圧迫し消費の減退を招いては、いずれ経済自体も立ち行かなくなる。だからこそAI時代には、資本とテクノロジーが生み出す「複利の力」を民主化しなければならない。
出生時に1,000万円を支給し、広く世界経済の成長を享受できる「全世界株式型のインデックスファンド」などに投資先を限定する。そして、18歳までは売却できないなどの制限の中で、親も本人も金融知識と「複利の力」を実体験を通して学ぶことになる。そのような金融の授業も小学校から必修にするのがよい。
最後にアインシュタインの言葉を紹介して、この寄稿を終わりにしよう。
複利は人生最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う。
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