メガバンクによるFintech関連ベンチャーへの支援が活発化
産業界に幅広いネットワークを持つ銀行、特にメガバンクがベンチャー企業の支援に本腰を入れ始めています。メガバンク各行は、1970年代にベンチャーキャピタル(VC)の業務を専門に行う子会社を設立し、それらはVC業界の中でも古い歴史を持っています。そして、子会社であるVCが株式の取得を伴う「投資」を行い、銀行本体は「融資」による資金提供を行う、という棲み分けがありました。しかし、創業間もないベンチャー企業への融資には慎重になるケースが多く、融資を受けられるのはレーターステージやIPO前後の企業に限られていました。最近は、メガバンク各行が子会社のVCと連携し、レーターステージだけでなく、エクスパンションステージや、銀行によってはアーリーステージのベンチャー企業にも運転資金等を融資するケースが増加しているようです。
また、銀行業界におけるオープンイノベーションの一環として、FinTech関連のベンチャー企業を積極的に支援する動きがみられるようになりました。FinTechとは、金融を意味する「Finance(ファイナンス)」と技術を意味する「Technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語で、IT技術を使った金融サービスのことを指します。この分野は、金融機関向けに勘定系システムを提供していた大手ベンダーが強みを持っていましたが、最近はFinTechに特化したベンチャー企業が生まれており、そのようなベンチャー企業自体を「FinTech」と呼ぶこともあります。メガバンクによるFinTech関連のベンチャー企業を対象としたビジネスコンテスト等も開催されています。