“不気味の谷”を乗り越える、ロボットへの「共感性」
それでは実際にどのような需要があるのか。ここでプラット氏は古巣であるDARPA(国防高等研究計画局)のロボティクス・チャレンジ(DRC)での出来事を紹介した。DRCは1億ドルの予算を投じた災害救助用のロボット競技大会であり、日本からも様々な組織が参加している。まずバーチャルのシミュレーション上でのコンテストを行い、そして物理的に実現性を審査する競技会、そして決勝戦となる。そこでは様々なハプニングが起き、イベントとしては大いに盛り上がったが、中でも印象的な出来事として、プラット氏はフロリダのチーム「Insutitute of Human Cognitive Machine」研究所のロボットが倒れた時のことをあげる。
ロボットが倒れた時、観客は『なんてことだろう』と心配する様子を見せた。つまり、人間がロボットに感情的に共感するという現象が起きたのである。自分が転んだような気持ちになったんでしょう。