SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

Biz/Zineセミナーレポート

DEI推進に必要な主体性という組織カルチャー──先進企業に学ぶ、スポンサーとしての経営幹部の役割とは

前編

  • Facebook
  • X
  • Pocket

 この1、2年で多くの日本企業が優先順位を上げて取り組み始めているDiversity, Equity and Inclusion(多様性、公平性、包摂性:以下、DEI)。DEIへの取り組みを一つ以上実施している企業は9割、8割近くがDEI用の予算編成を行っているという(2024年実施のWorkday社・調査)。DEIのコンサルティング会社TDC Globalは、2024年10月に『私たちが共に、DEIの歩みを加速させるために Together, We Accelerate』を上梓した。その出版記念イベントのパネルディスカッションでは、キンドリルジャパン株式会社 執行役員の橋本寛人氏、マニュライフ生命保険株式会社 代理店営業本部 副本部長の五十嵐隼一氏、Ridgelinez(リッジラインズ)株式会社 執行役員パートナーの関優子氏が登壇。TDC Globalのビジネス開発マネージャー 森本愛子氏のモデレーションで、自社のDEIの戦略や成功の秘訣について語った。その内容をレポートする。

  • Facebook
  • X
  • Pocket

三者三様”のDEIに対する思い

 パネルディスカッションに先立ち、TDC Globalの森本愛子氏は登壇者3名の自己紹介やDEIに対する思いを問いかけた。

森本愛子
TDC Global 事業開発マネージャー 森本愛子氏

 最初に答えたのはRidgelinezの関優子氏だ。同社は富士通グループのコンサルティングファームとして5年目を迎えた会社である。関氏は自身が通算15年間アメリカでマイノリティとして仕事をし、社会や上司、一緒に働く同僚の理解と支援があったから仕事を続けられたという実感していると語る。ダイバーシティとインクルージョンが個人のキャリアに与える影響は非常に大きいため、RidgelinezでもChief Diversity & Inclusion OfficerとしてDEI(同社ではD&I)推進を担っている。

 キンドリルジャパンはIBMのマネージド・インフラストラクチャー・サービス事業の分社化にともない、2021年から日本において事業を引き継ぐ会社として誕生した、今年3年目の会社だ。橋本寛人氏は、キンドリル設立以降、DEI(同社ではID&E)推進のコアメンバーとして活動しているという。それは、従業員満足度(エンプロイーサティスファクション:ES)の観点から、DEIを重視する必要があるからだ。カスタマーサティスファクション(CS)が高く、ESが低い場合は、その高いCSは持続しにくいが、現状でCSが低くてもESが高ければ、次第にCSは高まっていき、それは持続できるものだと考えているからだ。ESを重視する上で、いかに従業員が働きやすい環境を作るかを考える時に、DEIは重要だと語る。

 マニュライフ生命はカナダを本拠とする大手金融サービスグループ、マニュライフ・ファイナンシャル・コーポレーションのグループ企業で、日本設立25周年を迎えた生命保険会社である。五十嵐隼一氏は「DEIへの取り組みはビジネスとして競争力を高めるために必須だ」と語る。その理由は3つあるという。1つは人材確保の観点。人口が減少していく日本において優秀な人材を確保するためには、多様な人を受け入れ、間口を広くしておく方が良い。2つめは多様性のある顧客に対して、会社に多様な人材がいなければ魅力のあるサービスが生み出せないという理由だ。そして3つめは、社会の多様性を大事にする流れを無視できないという理由で、企業の社会的責任を果たすことが重要であると主張する。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
Ridgelinezの具体的な取り組み──「D&Iワーキンググループ」が参加者の“主体性を刺激”する

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
Biz/Zineセミナーレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング