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INNOSIGHT社COOが語る「イノベーションのDNA」

イノサイト社COO ケビン・ボーレン/来日講演レポート:第2回

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 前回は、成熟企業が破壊的イノベーションに対してどのように取り組むのか?というテーマで行われた講演第1部の内容をレポートした。今回は、「イノベーションのDNA」を組織に根付かせるための仕組みと海外での事例を紹介した講演第2部をレポートする。本セミナー0は、2013年5月16日、野村コンファレンスプラザ日本橋にて「ついにジレンマは終わる!!“イノベーションのジレンマ”で有名なクリステンセン教授のイノサイト社初来日セミナー」が開催された。

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イノベータに必要な5つのスキル:「4つの行動的スキル」と「1つの認知的スキル」

 イノベーションという観点から見て優れた業績を出し続けている企業のリーダー層(イノベータ)は、そうでない企業の経営幹部と何が違うのだろうか。

 クリステンセンらはイノベータと一般的な経営幹部の比較研究を行い、イノベータが他の経営者より優れている5つのスキルを明らかにした(詳細は『イノベーションのDNA』参照)。

 イノベータは、「質問力」「観察力」「ネットワーク力」「実験力」という4つの行動的スキルを日常的に活用している。この4つの行動的スキルは、「関連づけ思考力」という認知的スキルにつながる。

 一見無関係に見える疑問や問題を結びつけ、新しいアイデアを生み出す関連づけ思考は、イノベータにとって欠かせないスキルである。

質問力:日常生活に質問することを取り入れよう

 たとえば、娘と一緒にショッピングモールに行ったら、娘はなぜあの店でなくこの店で、あちらの服ではなくこちらの服を選ぶのか、などと問いかけてみよう。常に疑問を持つことは、イノベータにとって大切な態度だ。

観察力:身の回りで起きていることに目を向けよう

 何となく見るのではなく、一定の時間を割いて意識的に観察すること。小売業なら、客が店内にいる時間はどれくらいか、手に取る商品はどれかなど、そのときどきの観察ポイントも決めておくとよい。

実験力:仮説->実験->検証の試行錯誤を重ねよう

 たとえば、開発中の製品のイメージイラスト数点を顧客に見せて、どれが好きかを聞く。反応が悪ければ、新しいアイデアを考える、基本的なリサーチをやり直す、アプローチ全体を見直すなど、試行錯誤を繰り返すことをいとわない態度が大切だ。

ネットワーク力:自分とは異なる背景を持つ人たちに会う機会を持とう

 多様な人々を結びつける力がネットワーク力だ。いろいろな人と人生や仕事上の経験を話そう。新しいアイデアは、自分が日頃付き合いのある人たち以外の人たちとのちょっとした会話から生まれることも少なくない。

関連づけ思考力:インプットを結びつけよう

 イノベータは、かなりの時間と労力を費やして以上の4つのスキルを駆使している。そして、その体験を振り返って考える時間を取る。こうすることで関連づけ思考力が発達してくると、ある問題がある解決法とぱっと結びつくような瞬間が多く訪れるようになる。

次のページ
イノベーションのDNAを根付かせる組織体制

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