安宅氏を形成した、「パーセプション」への興味
佐宗:
「全体を俯瞰してみる」ことは、私には「文脈を読む」と同じ意味に受け取れました。以前、私のP&Gの恩師が手がけた、介護用オムツ「アテント」は、既存のユーザーであった「介護される人を元気にするリハビリオムツが大事だ」という常識を、介護疲れが社会課題になり始めた文脈を捉えて「介護する側の人が頑張り過ぎなくても良い大人用オムツ」に変えて、新たなニーズを見出したんです。これも時代の文脈変化を生かして新たなオケージョンを繋げた例かもしれません。
安宅:
確かに。それはユニークな事例ですよね。まさに利用オケージョンとそこで求められるベネフィットの視点で、いい気づきがあったのだと思います。