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ミッションは顧客への提供価値をベースに表明する

第22回

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ビジョンは「未来」、ミッションは「現在」

 目的と手段の階層と主要な構成要素を見ていきましょう(図2)。「目的」はビジョンと成果(ゴールと目標)、「手段」はミッションと行動方針(戦略と戦術)および指針(方針と規則)に分類されます。このうち、ビジョンとミッションは通常、ビジネス計画の最上位に位置するものであると同時に、中長期にわたるビジネスに関連する要素です。多くの企業にとって、ビジネス計画は3年単位で構築されるため、その都度必ずしもビジョンとミッションを変更する必要はありませんが、成果や行動方針および指針はビジョンとミッションと相反するものであってはなりません。

目的と手段の階層と構成要素図2:目的と手段の階層と構成要素

 目的と手段の時間的な位置関係を示してみました(図3)。時間軸で捉えれば、ビジョンとミッション、ゴールと戦略、目標と戦術をセットとして考えれば分かりやすいかもしれません。年数は目安ですが、ビジョンとミッションが最も長期的なものであり、目標と戦術が最も短期的なビジネス計画要素であることが理解していただけるでしょう。

時間軸の視点による目的と手段図3:時間軸の視点による目的と手段

 さらに掘り下げて、ミッションとビジョンだけの関係に目を向けてみましょう(図4)。目的としてのビジョンは、手段としてのミッションの原動力となります。また、ビジョンは価値観というサブ要素をもち、ミッションは行動規範というサブ要素をもつことができます。

ビジョンとミッションの関係①図4:ビジョンとミッションの関係①

 ビジョンとは未来(将来)に関するものです。ビジョンと価値観、ミッションと行動規範の定義と具体的なサンプルは後述しますが、旅に例えると、ビジョンは「どこに辿り着きたいのか?」に言及するものであり、価値観はそのための地図のような働きをします。

 一方で、ミッションとは現在(進行形)に関するものです。ビジョンと同様に旅に例えると、ミッションは「そこに辿り着くために何をするのか?」に言及するものであり、行動原則はそのための羅針盤のような働きをします(図5)。

ビジョンとミッションの関係②図5:ビジョンとミッションの関係②

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ミッションをビジネスモデルの観点から定義する

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

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