SMARTフレームワークとは、目標設定の5つの基準
冒頭で定義したとおり、目標とは「ゴールを達成するために満たすべき、達成可能で、期限があり、測定可能なターゲットを表すもの」です。ご存じの方も多いかと思いますが、目標設定に対するSMARTというフレームワークをご紹介しましょう。「SMARTフレームワーク」では、適切な目標設定のための5つの基準が設けられています。それは、①具体的であること、②測定可能であること、③達成可能であること、④関連性があること、⑤期限があることの5つです(図7)。
5つの基準に関して少し補足していきましょう。
具体的であること
目標は、具体的でなければなりません。前述のGQMモデルにおいて指標を明確にしたわけですから、その指標に対するターゲット値を決めることによって具体的になります。たとえば、顧客満足度が明確にされた指標であるとするなら、そのターゲットを数値で示す(例.90%)ことによって、その目標は具体化されます。
測定可能であること
朝、目が覚めたら突然目標が達成されていたなんてことは滅多にありませんから、目標は測定可能なものでなければなりません。つまり、その進捗を確認できること、その進捗を監視するデータが入手できること、目標を達成したことを知る方法をもつことが必要となります。
達成可能であること
達成や実現がどう考えても不可能な目標を定義することは意味がありません。根性やガンバリズムも必要ですが、財務キャパシティ、能力やスキル、時間的な余裕などを十分に考慮する必要があります。
関連性があること
目標は、ビジネス計画の他の要素との適切な関連性をもっていなければなりません。たとえば、定量化されるべきゴール、採用される戦術、支援される指針(ポリシーやルール)です。ビジネスアーキテクチャーの概念モデルを活用することによって、これらの関連性を検証することができます。
期限があること
ビジネスに関する目標は、期限をもっていなければなりません。一般的には、四半期末や事業年度末に設定されるケースが多いでしょう。