ロジカルシンキングを鍛えられた、コンサルでの新人時代。モスクワで見えた、今後の日本の方向性
——就職活動はどのように行い、どちらに入社しましたか?
「かっこよさそう」「つぶしがききそう」「経営に近い位置で仕事ができそう」という漠とした理由で、コンサルティング業界を中心に就職活動を行いました。入社したのは外資系のA.T.カーニーで、合計4年半在籍しました。全般的にタフな毎日を過ごしましたが、入社1年目から2年目の前半にかけてが、最もしんどかった。クライアントを訪問すると、強面の社長が出てきて、「俺はお前に何も頼んだ覚えはない。余計なことをするな」と言われる。それに対して、「事業を撤退するべきです」と進言して、それを実行してもらわないといけない。こちらの武器になるのは、ファクトとロジックしかありません。怒られながらも、なんとか頑張って「事実としてはこうだから、こうするべきです」と諭すのは大変でした。さきほどお話しした、大学時代の塾講師のときと同じような状況です。改めて、プロとしての職業観を学び直した瞬間でした。