このサービスの中でも、特に教師データを基に画像分類する「AI画像解析サービス」は第三者の精度判定で98%を超える結果を出しており、現時点で世界トップクラスの技術であるとしている。また、テキストでなく画像を主体とした分析のため、言語障壁のないボーダレスな技術であることに着目し、早い段階でのサービスの実用化を推し進めていくという。
既にベトナム国内では、官公庁や大手飲料メーカーが本サービスの導入検討を開始しており、今後はアジア各国での展開を目指す。
ベトナムでは、ここ数年でいくつもの新しいリゾートホテルが建設されるなど、東南アジアにおける人気観光スポットとして注目が集まり、諸外国からの渡航者が急増している。また、9X世代と呼ばれる1990年代生まれの若者たちが、伝統や習慣にとらわれることない独自のスタイルで新たなムーブメントを創造しているという。それらの流れで新たな需要が創出されてきていることから、今後次のようなシーンでの活用を想定しているという。
1. 自動車産業における価値創出
バイクが主な交通手段であるベトナムでは、交通事故による死亡事故が年間9,000人、負傷者は24,000人にも及ぶ。しかし、交通事故の件数に対して、自賠責保険の加入率は20%程度にとどまっている。自動車はまだまだ一般の生活者にとっては日常的ではないが、経済成長と共にその販売台数は確実に伸びている。自動車保険のAIによる適切な保険の提案や料金算定に大きな需要があるとしている。
また、外国人旅行者に対するアンケートで、ベトナムで悪い印象を受けた問題として4割の人が交通の安全性を挙げている。AIによる自動運転技術と共に普及させることが観光産業のさらなる活性化に繋がるという。
2. わいせつ表現フィルタリング
ベトナムではわいせつ表現となる基準が厳しく、例えば日本では通常販売されている週刊誌の写真レベルでも法律違反となり処罰される可能性がある。また、ウェブコミックが若者を中心に急速にユーザーを獲得しており、クラウドファンディングの導入で読者が作品に出資するなど市場が過熱している。これらの不適切とされる情報の識別に、AI画像解析技術を適用できるものと考える。
3. 化粧雑貨市場の拡大
ここ数年で化粧品に大きくお金を使う女性が増えてきており、世界的なアッパーブランドからミドルブランドまで幅広い層が高級ショッピングモールを中心に展開している。それらのためのマーケティングインサイト調査だけでなく、例えば消費者の肌質に合った化粧品、肌色に合わせたファンデーションをAIでサジェストすることで、販売促進に繋がるものと考える。