多様性とはつまり、“自己中”の集まり
「感性への自負」とはどういうことか。自分の感性や価値観に対して自信を持つこと。平たく言えば、「周囲の目を気にしない」ということだ。私が日常的にみかけるロンドナーは、自己中で、空気を読まず、浮いている人が多い。締め切り前でも結婚記念日には早退し、会議中にもくもくとサンドイッチを食べ続け、ボディコンで会社に来る。彼らは、自らの感性で物事の判断をする。 社会も個々の感性を犠牲にすることを前提としていない。
この自己中さ、個々がそれぞれ明確な感性や価値観を持っていることが、豊かな多様性となり、ロンドンのクリエイティビティを生み出しているのだと思う*。「あまり自信はないんですが…」といった粒度の意見をいくら混ぜても何も生まれない。大したことないアイデアを10分以上も、全く臆することなく語られて頭を抱えることも多いのだが、そんな愛すべき自己中が非常に多い。