“コネクタ”という働き方に必要なものは「情報」ではない
——最先端の技術で、将来の可能性がその時点で見えたのですか?
いえ、そんなことはありません。正直に言えば、「こんなものが流行るわけはない」と思っていました(笑)。ガラケーでデモを見せてもらったのですが、名刺をカシャッと写メで撮ってアップロードすると、検索可能な名刺入れの代わりになる、ということは理解できました。ただし、当時は端末に付いたカメラもインフラも貧弱だったので、5〜6分間そのまま待って、ようやく汚い名刺の画像が見られるという状態。全然ダメだ!と思いつつも、みんなが本気でやりたいと言っていたので胸を打たれたんですね。社長の寺田も、現在の取締役の富岡も、意思と意図を持ってやりきる人間だと確信していた。二人から、ちょっとぶっ飛んでいるくらいの熱を感じられたので、新しいサービスを一緒にやれたら面白いだろうな、と思いました。その後、前の会社との調整を経て、創業直後のSansanに入社することになります。当時、2009年でした。