ICOのデメリット2:VCによる指導の欠如、3:本来の通貨発行機能の阻害
2:VCによる指導の欠如
通常のベンチャーキャピタルによる投資を得るためには、起業家は投資家に対してビジネスモデルや収益見通しについて詳細な説明を行う必要がある。また、投資が複数のラウンドに渡る場合、最初期のシード投資でうまく行けば、2年目により大きな額を投資するといったことが行われるが、その過程で投資家がアドバイスをしたり、「先輩起業家」を紹介したりするといったこともある。
シリコンバレーのブロックチェーン関連スタートアップ企業では、複数の企業が共通の投資家から投資を得ており、こうした投資家をハブとした情報交換や人のネットワークも、事業を成長させるうえで重要なリソースとなるだろう。ICOでは、こうしたベンチャーキャピタルをハブとした指導や助言を得る機会が少なくなる可能性がある。起業家にとって負担は少ないかもしれないが、貴重な成長の機会を失うことになるかもしれない。