第5回の受賞者は、メイドインジャパンの工場直結ファッションブランド「Factelier(ファクトリエ)」を展開する、ライフスタイルアクセントの代表取締役CEO・山田敏夫氏が選ばれた。基金では、1,000万円の助成金を交付し、「Factelier」の事業を支援していくという。
さらに、山田氏はこの受賞により、シーバスブラザーズが主催するアントレプレナー世界大会「THE VENTURE」へ日本代表としてチャレンジする。「THE VENTURE」では、まず、オックスフォード大学で行うアクセラレーターウィークに参加し、集中的にソーシャルビジネスへの見識を広めるという。そして、総額100万米ドルの助成金をめぐり、一般投票とファイナルウィーク(アメリカで7月開催予定)で、世界各国代表の起業家達と競い合うことになる。
基金は、メイドインジャパンの工場直結ファッションブランド「Factelie」の従来のアパレルの常識を覆す、革新的な商流や販売方法、サービスを実現していること、中間業者を省き工場とファクトリーブランドをつくり、消費者と直接結んでいることなどに共感して、支援を決定したという。
「Factelier」は、工場の技術継承者である若者採用支援もしており、「Factelier」と提携することで、これまで負のサイクルだった工場が正のサイクルに生まれ変わるという。
受賞した山田敏夫氏は次のようにコメントしている。
「大変光栄な賞をいただきありがとうございます。この4年半で500以上の工場を廻りました。インターネットを活用し工場とお客様を直接つなぐ、値段を希望小売価格ではなく、希望工場価格としてすべて工場側で決める、そして100年続くブランドを作るための永続的に続く仕組みを実践しています。日本の物作りには世界中が注目していると思います。先進国すべてにおいて物作り産業の衰退というのは大きな課題です。世界大会「THE VENTURE」では、その1つの解決策として、ファクトリエの存在を大きくアピールして優勝を勝ち取ってきたいと思っています」
■山田敏夫氏プロフィール
- 1982年:熊本生まれ。1917年創業の老舗婦人服店の息子として、日本製の上質で豊かな色合いのメイドインジャパン製品に囲まれて育つ。
- 2003年:大学在学中、フランスへ留学しグッチ・パリ店で勤務。
- 2012年:1月にライフスタイルアクセント株式会社を設立し、10月に「ファクトリエ」をスタート。
- 2014年4月:中小企業基盤整備機構と日経BP社との連携事業「新ジャパンメイド企画」審査員。
- 2015年2月:経済産業省「平成26年度製造基盤技術実態等調査事業(我が国繊維産地企業の商品開発・販路開拓の在り方に関する調査事業)」受託者