“組織問題”を解決する「解釈のシステム」という視点
我々を動かすこの「解釈のシステム」にアクセスしなければ、組織は変わらない。この解釈のシステムは、現場にもあるし、経営陣にもあるが、それぞれ違う業務、違う人々との関わりの中で生きているため、解釈のシステムもまたそれぞれに違う。そのため、お互いがやっていることが、自分の立場からは正しくても、相手の立場からすると違う意味に解釈され、その食い違いが問題解決のパラドクスの引き金になる。どちらかの解釈のシステムが間違っているのではなく、どちらも正しいことが事を複雑にしている。
どちらか「のみ」が正しい、という前提に立てば、想定と異なる反応をしたことについて、論理を盾に説得したり、反論が出なくなったりすれば良いということになる。しかし、それは表面的な次元だけの対応である。どちらもそれぞれの状況の中で必要があって解釈のシステムが出来ていることを忘れてはならない。論理で圧倒したところで、人が変わるわけではない。むしろ、「あの人達は私たちの話を聞こうとしなかった」と意味づけられるだろう。