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共創し学習する新しい組織論

組織が「問題解決のパラドクス」に陥らないために必要な、リーダーの“触媒”としての役割

共創し学習する新しい組織論:第5回(コラム第3回)

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 前回のコラムや関連する記事(武井さん対談前編・後編、渡邉さん鼎談前編・後編など)を読んだ方からは、「コラボレーティブで経験から学習する組織になるためには信頼関係がなければ変わりようがないのではないか」という意見を多数いただいた。確かに、新しいコラボレーティブで経験から学習する組織のあり方を実践している組織には、確固たる信頼関係があるように見える。だが、それは結果であって、原因ではない。大切なのは、結果として信頼関係が生み出されるようなプロセス、そのプロセスを生み出す日々の実践(プラクティス)を成していくことである。だが、さまざまな方のお話を伺う中で見えてくる日本企業の組織の日常は、非常に荒れているように見える。このギャップをどうやって解消するのかを考えていきたい。

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組織を壊す「問題解決のパラドクス」

 例えば、こんなことはないだろうか。

 本社が良かれと思って打ち出す様々な施策はあっても、それで良くなったようには思えない。確かに、どうも旧来の組織図では上手く行かなそうなのだが、しょっちゅう上から降ってくる新しい組織図では、何かものごとが好転したようにも思えない。新しい組織図に適応しようとして、現場はますます混乱するか、結局、「やったこと」にして元に戻ったりする。目標をもって仕事に取り組むことは大事だと新しい目標管理の制度が始まったが、これが上手く機能しないのでそのためにまた新しい制度が降ってきたりする。そしてそれがまた上手く機能せず、それを機能させるためのさらに新しい制度が降ってくる、ということが繰り返される。管理のための仕事は増える一方だが、組織が良くなった気がしないのはなぜだろうか。

 経営陣は動かない現場に焦り、現場は増える一方の仕事に疲弊している。これから先、組織はどう変わっていくべきなのか、何をするべきなのか。その中で今、多くの人々が頭を悩ませ、そして、お互いに組織内で不信感を持ってはいないだろうか。そうなればますますコントロールは強化され、現場はますます疲弊する。悪循環である。

 こうした良かれと思って行った解決策が、逆に問題をつくり出して深めていってしまうような状況のことを「問題解決のパラドクス」と呼ぼう。そして、既存のやり方の延長線上では、問題解決のパラドクスは乗り越えられないのは明らかである。では、どうしたらよいのだろうか。

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“見ている現実の違い”を解消すると拓く「コラボレーティブな組織への可能性」

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この記事の著者

宇田川 元一(ウダガワ モトカズ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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