ビジネスモデル・ジェネレーションを企業内で実践するために
●効果的なワークショップの人数、チーム分け
小山:ワークショップでおすすめなのが、営業、製造、技術者など、できれば多部門から12人を集めて、4人で1チームにし、3つに分かれた各チームで、あるビジネスアイデアに関して、直販、オンライン、小売りというように、まったく違うビジネスモデルを描き、競い合うみたいな形でやると、凄くリアリティのあるものが3つ出てきます。それを何回か繰り返すと、最終的にその12人全員が納得するようなものができあがります。
今津:4、5人くらいがちょうどいいですね。一直線のプロセスではなくて、3方向くらいに転換がしやすいとか、バリエーションがあるのがおすすめですね。大きな模造紙に9つのブロックを作って、大きな付箋を貼ったり、取ったりしながら、最終的に今、私たちが目指すべきビジネスモデルはこれが一番いいんじゃないか、という感じでやります。
●他流試合式も面白い
小山:システムインテグレーターの会社ではよくやるのですが、お客さんと一緒にこのキャンバスを作るというのはすごくいい。また、得意分野の違うメーカーどうしで競争合宿みたいな形でやってみようというと、違う会社なので共通言語がない。そういったときに、このビジネスモデルキャンパスを使うと一気に理解が深まります。
今津:ビジネスモデル・キャンバスは、グローバルに共通して作られている同じメソッドなので、これから海外展開する、海外のパートナーと仕事をする、新規のプロジェクトを国内市場以外の市場でトライアルしなければいけない、という場合にも活用できます。
●いろいろな素材でできるビジネスモデル・キャンバスのパターン学習
- 競合他社のビジネスモデル・キャンバスを描いてみる
今津:自社のキャンバスはなかなか書けないことがあります。その場合は、競合会社でやってみるといいですね。まずは、他社のビジネスモデル・キャンバスを客観的に書いてみて、そこと対比して自社の組織や事業に関するキャンバスを書くというのはおすすめのやり方です。
- ニュース記事を元にビジネスモデル・キャンバスを描いてみる
小山:たとえば、翔泳社のサイトなどにいろんな成功事例が載っています。それをビジネスモデル・キャンバスに書いてみる。私自身、コンサルトとしてスキルを磨くために、ニュース記事からビジネスモデル・キャンバスを書き起こしてブログに載せるといったことをしています。
- 同じ業界数社のビジネスモデル・キャンバスを描いてみる
小山:最近、競合分析のグループワークをよくやります。たとえば、コンビニエンスストアのセブンイレブンとローソン、ファミリーマート、同じ業界でも、戦略が全然違うんですね。製造業でいえば、京セラ、村田製作所、日立といった感じで比較する。それによって、リソースもコストも違ってきますよね。そうすると、ある会社は原価率が70%で、別の会社は15%といったところまで分析できるので、初めて社内でこれをやってみるというときには、同じ業界の3社ほどの特徴的な点の比較検討をすると、すごく面白いんじゃないかと思います。