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オープンイノベーションにおける3つの鍵――組織変革・コミュニティ・Unlearnとは

Biz/Zine Day 2017 Spring 「オープンイノベーション」の現在と未来 レポートvol.4

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 2017年3月22日に、Biz/Zineが主催するイベント「Biz/Zine Day 2017 Spring」が行われた。「オープンイノベーション」を軸に、ベンチャーを支援するVCやアクセラレーター、大企業のイントラプレナー、組織論研究者が登壇。オープンイノベーションの成功要因や、成功のための組織変革やエコシステム形成などが語られた。  セッションのひとつ「No.1アクセラレーターが語る世界のオープンイノベーション最前線、国内における『コーポレートアクセラレー』の事例と効果」では、株式会社ゼロワンブースターの鈴木規文氏、合田ジョージ氏が登壇。ゼロワンブースターが取り組む、日本国内における大企業とベンチャー企業の連携を支援する「コーポレートアクセラレーター」の最先端の知見や実践例が共有された。

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 近年、オープンイノベーションを起こすための方法論として「コーポレートアクセラレーター®」が注目されている。Biz/Zine編集部では、連載やイベントレポート記事、講座などを通じて、コーポレートアクセラレーターを日本で実践する01Boosterの取り組みを発信してきた。

 01Boosterは「コーポレートアクセラレーター」の方法論を用いて、様々な大手企業とベンチャー企業の共創を支援している。これまでキリン、LIXIL、森永といった大手企業とともに、アクセラレータープログラムを開催している。

 今回のセッションでは、01Boosterの最新の知見をもとに、世界のコーポレートアクセラレーターが取り組むエコシステムやコミュニティ形成の方法論、イノベーションを継続的に起こすための組織変革といったトピックが共有された。

 コーポレートアクセラレーターの概要は下記の記事を参考にしてみてほしい。

イノベーションを起こすために必要な「Unlearn(学びほぐし)」という考え方

 はじめに01Boosterの合田ジョージ氏が登壇。イノベーションを起こすための「Unlearn( 学びほぐし)*1」という考え方や、世界のコーポレートアクセラレーターの先端事例を「エコシステムとコミュニティ形成」という視点から解説した。

 「馬車をいくら並べ立てても汽車にはならない」そう語ったのは、1912年に出版された「経済発展の理論」ではじめてイノベーションの概念を提唱したシュンペーターだ。

 シュンペーターの言葉に従うならば、イノベーションを起こすためには物事をこれまでの延長線上で考えてはいけない。しかし、多くの大手企業では、オペレーションからイノベーション的な発想に、考え方をシフトできていないという。

イノベーション型とオペレーション型のビジネス

オペレーションを回し、効率性を追求していく活動の前提には「明確な答え」があります。その一方で、イノベーションは「答えを探求するプロセス」そのもの。10回チャレンジし、1回でも当たるかどうかを素早く回すことが求められます。これまでの経験をもとに新しいことにチャレンジするのではなく、上手くいっていた方法論を捨てる「Unlearn」が、いま組織に求められているのではないかと思っています。(合田ジョージ氏)

合田ジョージ合田ジョージ氏(株式会社ゼロワンブースター共同代表 取締役)
MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手との国際アライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造によるデザイン白物家電の商品企画を担当。村田製作所にて、北米向け技術営業、米国半導体ベンダーとの国際アライアンス、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業に携わり、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略策定を実施。スマートフォン広告のIT StartupであるNobot社に参画、Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、同社のKDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定。現在は01Boosterにてコーポレートアクセラレーター・事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアを中心とした国際的な事業創造プラットフォームとエコシステム構築を目指している。日本国内の行政や大学を含む、多数の講演やワークショップ実施の実績あり。

*1:「 Unlearn 」の日本語訳として有名なのは、哲学者の鶴見俊輔氏の定義する「学びほぐし」。同氏がハーバード大学に在学時、講演のため来校したレン・ケラーにより初めて「Unlearn」という言葉に触れと述べている。その後、学んだことを一旦忘れるという意味ではなく、知識の定義から一旦離れ、知恵として消化出来るようになるプロセスを「学びほぐす」と訳語をつけて説明している。(編集部・注)

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