効果的なNext Actionを営業組織にもたらす「インフラの視点」とは?
最後にインフラの視点で考えてみる。インフラは制度やルールからツールまで仕組みのベースとなる部分を指している。今回はその中でツール、特に営業組織を創っていく上では欠かすことの出来ないSFA(Sales Force Automation)/CRM(Customer Relationship Management) について考えてみたい(※この後はSFAで統一して記載していく)。皆様の中にはSFAを使っていない方もいらっしゃると思う。しかしながら、営業組織にとってSFAは必要か否か、また自社に導入すべきか否かを議論することはナンセンスだと感じる。間違いなく必要で導入すべきだからだ。もちろんSFAは魔法の杖ではないので導入すること自体が目的になっては元も子もないが、その必要性や導入すること自体を悩んだり考えたりする必要はない。考えるべきは「如何に活用していくか」だと思う。
熱狂する営業組織に貢献するSFAについて論じる前に、もう少しSFAの実態について述べておく。以前、弊社にてSFA満足度調査を実施したことがある。その中でSFA導入後の問題解決度と満足度を問う設問があったのだが、その回答として「解決された/ほぼ解決された」「とても満足している/やや満足している」と答えたのは約半数だった。言い換えると残りの半数は「問題が解決したとは言い難い」「十分に満足しているとは言い難い」という認識だったということだ。また、さらに具体的な設問から見えてきた大きな問題点が、現場の営業パーソンは「利用メリット」以上に「入力負荷の大きさ」や「操作性の悪さ」を感じているということだった。実際に、お客様先でも「入力が徹底されない」「一部の機能しか使われていない」との声を聞くことも少なくない。これは結局のところ、従来のSFAが営業支援ではなく、営業管理や営業分析といった「管理者のための管理者視点のツール」になっていたということだ。マネジャーは効率的にチーム及びメンバーの営業管理を行う必要はあるが、そちらばかりに比重が置かれると、実際に毎日利用する営業パーソンにとってはたまったものではない。そもそも経験の浅いメンバーならまだしも、経験のある営業パーソンで管理されることを好むメンバーは少ないものだ。そして第1回で記載した通り、組織的に考えてみても、効率的な管理だけで生産性を向上させていくことには限界がある。