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SPEEDA、NewsPicksで進撃するユーザベース稲垣氏が語るグローバル戦略- yentaイベント

yenta主催「日本のグローバル化を考える会」Vol.2

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経済情報ベンチャーとして世界を狙う

ユーザベース代表取締役(共同経営者) 稲垣裕介氏

Japan Taxi 川鍋代表に続いて、二番目に登壇したのは株式会社ユーザベース代表取締役(共同経営者)の稲垣裕介さん。

ユーザベースは、「経済情報で、世界をかえる」というミッションのもと、「SPEEDA」「NewsPicks」「entrepedia」という3つのサービスを展開している。

東京で2008年に設立し、その後2013年にSPEEDAの営業拠点として香港と上海とシンガポールにオフィスを立ち上げ、そのタイミングで開発体制もグローバルに拡大させるため、フランジア社と一緒にベトナムオフィスを立ち上げる。その後リサーチ体制もグローバル強化をさせるために2016年にスリランカオフィスを立ち上げている。

2017年の目標は、NewsPicksの米国進出であり、まさに現在進めているところとのこと。

今回、稲垣さんはユーザベースのグローバルストラテジーについて、1)プロダクトストラテジー、2)経営体制、3)ミッション&バリューの3つのポイントに分けて説明してくれた。

SPEEDAのプロダクトストラテジー、「アジアで勝つこと」からスタート

2009年のリリース当初は、日本市場のデータにしぼり、SPEEDA(日本語版)をリリース。その後、海外市場の情報も取り入れるなど開発を重ねてきた。一定のデータが集まってきた2013年には、全てのコンテンツを英語化し、海外市場に対応したSPEEDA(英語版)をリリース。このプロダクトを持って海外展開を行い、4年間におよぶ営業活動の結果、現在では12ヶ国600社以上の企業が利用している。また、この4年で売上高の海外比率が10%にも伸びるなど、海外での需要も年々高まっている。

SPEEDAは、企業・業界情報プラットフォームで、世界中の企業情報、業界レポート、市場データ、ニュース、統計、M&Aなどあらゆるビジネス情報を直観的な操作で取得できる。また、取得した情報からワンクリックで資料作成ができ、専属コンサルタントへの相談も直接できる。

例えば、日本の総合電機メーカーと言われると、なんとなくイメージは湧くが、マレーシアの空調機業界と言われると、おそらく大半の人がイメージつかないはず。SPEEDAは、そういった業界情報をボタン一つでデータを抽出できるプラットフォームになっている。

実際のSPEEDAの市場について稲垣さんは話してくれた。

SPEEDAが参入しようとしている市場は、グローバルでみてみると非常に大きな市場規模であり、参入余地が大きいとも言えます。一方で、世界のトップ30社で市場をしめているため、既に真っ赤なレッドオーシャンであるとも言えます。ここをどのように攻略していくかが私たちの命題でした。(稲垣氏)

ここから具体的にSPEEDAがどのようにグローバルに展開していったかの戦略を話してくれた。

まず大事にしたのが「何で勝つのか」ということ。グローバルな競合に対しての差別化要因は何なのかを考え、そこからとにかくニッチな領域で勝つということを徹底的にやってきた。

世界で見れば日本というマーケットはすごくニッチで、情報が全て日本語なので、グローバルから見たらアクセスしにくいデータになっている。

その環境を利用して、まずは日本市場で使いやすいサービスを作り上げることで、圧倒的なポジションを築き、グローバルに対する差別化要因にしていった。

その結果、日本で独自のポジションを築くことができたので、次にアジアへの進出を決めた。

もちろん一番大きな市場は欧州や北米になるが、圧倒的なレッドオーシャンであり競合も強いため、体力をつけない状態で望むのは無理があると判断して、アジアに出るという意思決定をしている。

プロダクトの特性上、SPEEDAを利用するようなビジネスパーソンは、英語で仕事をしている人がほとんどであったため、SPEEDA(英語版)を作成し、香港、シンガポール、上海で販売を開始した。

アジアでも日本と同様、サービス価値を高めることで独自のポジションを確立することに注力した。その結果、現時点で日系企業だけではなく、ローカル企業での導入も増加傾向にある。国内外の未上場企業のデータ拡充など、SPEEDAでしか手に入らない情報を提供することで、日本とアジアの両2つの地域において、確固たるポジションを確立することに成功している。

企業体力もついてきて、データ量やプロダクトの機能拡充もできてきているので、全体をひっくり返すということを徐々に行っている。

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この記事の著者

岡 利幸(オカ トシユキ)

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