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「顧客のジョブ」から考えるイノベーション

顧客のジョブをイノベーションのインプットにする──アイディア先行型では難しい理由

「顧客のジョブ」から考えるイノベーション:第1回

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企業の目的は「顧客の創造」、主要な機能「イノベーションとマーケティング」

 経営の父と呼ばれるピーター・ドラッカーは、「企業の目的は顧客を創造すること」と述べていました。したがって、プロダクト/サービスは顧客を創造するための手段であり、利益はその結果であるということを意味するのでしょう。また、「顧客を創造するために必要なビジネスの機能は、イノベーションとマーケティングの2つのみであり、それ以外は全てコストである」とも述べていました。言い換えれば、自社よりもより安く、またはより良く実行することができるのであれば、イノベーションとマーケティング以外の機能はアウトソーシングの対象に入るということを暗示しているのかもしれません。

 非常に簡潔に言えば、イノベーションとは「新しい経済価値を生成する活動」であり、マーケティングとは「生成された価値を実際の需要に変換する活動」と、欧米では理解されているようです。ここでいう新しい経済価値とは、市場に対する新しい価値の生成、その見返りとしての金銭的な価値の獲得という双方の要件を満たすことが求められます。企業が継続的に成長していくためには、この2つの機能を両輪として常に適切に回しながら将来に向けて進んでいかなければならないのでしょう(図2)。

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白井 和康(シライ カズヤス)

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