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愚者風リーダーのチーム論

天外伺朗さんと語るファシリテーター型リーダーシップ──「愚者の演出」と「存在のマネジメント」とは?

第2回ゲスト:天外塾主催/フローインスティテュート代表 天外 伺朗 氏【前編】

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ファシリテーターはその存在を忘れられるくらいが“ちょうど良い”

長尾彰氏(組織開発ファシリテーター、以下敬称略):今日は天外さんにお聞きしたいことをいくつか用意してきたのですが、一番聞きたいのは「天外さんはいつから“そんな風”なんですか?」ということです。

天外伺朗氏(天外塾主催/フローインスティテュート代表、以下敬称略):そんな風にというのは? 怪しいということ?(笑)

長尾:いえ。天外さんくらいの年代で、僕の知っている一部上場企業で常務までお勤めになった方たちとは醸し出している雰囲気がまるで違うな、と。

偉ぶらないというか、親子ほども年が離れているのに、すごく受け入れてもらえる感じがあって。いつから“そんな風”なのか、なにかきっかけになる出来事があったのか、ということを知りたかったんです。

天外:長尾さんは、ファシリテーターという役割をどうやって身につけたの?

長尾:僕ですか?

天外:質問されるより、質問する方がラクだ(笑)。

長尾:分かります(笑)。大学2年生のとき、アメリカから「プロジェクト・アドベンチャー」という野外教育のプログラムが入ってきたんです。6メートルぐらいの高さの壁をみんなで力を合わせて超えるとか、みんなで命綱を付けて高いところからジャンプするとか……。そういうプログラムをアルバイトで手伝うようになったのが、僕の職業としてのファシリテーターの始まりです。

ただ、初めてプロジェクト・アドベンチャーを体験したとき、子どものときに体験したこととすごく似ていると思ったんですよ。やるのは参加している人たちで、ファシリテーターはお題を渡して黙って見ているだけ。うまくいってもいいし、いかなくてもいい。起きたことについてみんなでお喋りできればそれでいい──、そんなスタイルの原型があったんです。

天外:ファシリテーターって、表に出ちゃうと失敗だよね。どちらかというと引っ込んでいて、やっている人たちがやらされ感なく何かを達成した時に、何かが起きる。だから、みんながファシリテーターにあいさつもしないで帰っていくようだと成功。寂しいけどね(笑)。

長尾:気づかれないうちに帰れたら、成功ですね。僕、小学校3年生の時に登校拒否をしたんです。

天外:素晴らしい。

長尾:ある日の朝、親父とお袋に「授業がつまらないから、今日は学校行かない。でも、友達と遊びたいから放課後は行く」と言いました。親父は「分かった。お前が決めたなら、そうすればいい」って。

天外:素晴らしい親だね。

長尾:お袋はパニックになって、「何があったの? どうしたの?」と聞きましたよ。授業がつまらないので図書室で本を読んでいたいけれど、担任の先生が「ダメだ」と言う、だからもう行かない、と説明しました。そうしたらお袋は、僕の担任に直接相談すると喧嘩になっちゃうから、ふたつ上の兄の担任の先生に相談しに行ったんです。すると、先生の旦那さんというのが今でいうフリースクールをやっている人で、そこに行くことを勧められました。

天外:やっぱり、すごい親御さんだね。

天外伺朗天外 伺朗(てんげ・しろう)さん / 天外塾主催、フローインスティテュート代表
工学博士(東北大学)、名誉博士(エジンバラ大学)。1964年、東京工業大学電子工学科卒業後、42年間(株)ソニーに勤務。「CD」、ワークステーション「NEWS」、犬型ロボット「AIBO」などの開発を主導した。上席常務を経て「ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所(株)」所長兼社長などを歴任。ホロトロピック・ネットワークを主宰、医療改革、教育改革に取り組み、瞑想や断食を指導。また、ホワイト企業大賞企画委員長として日本の産業界のレベルアップを推進。「天外塾」という経営塾(人間塾)も主宰している。

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