NTTコムウェア代表取締役副社長を務める黒岩真人氏は「NTTグループは、通信事業から『BtoBtoX』事業へと転換を進めています。その中で、『NTTアセット』『データ』『アプリケーション』を組み合わせて顧客に新たなビジネス価値を提供することが、NTTコムウェアの役割です」と紹介した。
『BtoBtoX』とは、NTTグループ、顧客企業、そして顧客企業にとっての顧客をデジタル技術で繋ぎ、価値を創出することだという。この『BtoBtoX』事業として、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション支援を目指すNTTコムウェアは、4つのサービスを発表した。
1.ドローン/AI/MR活用によるスマートメンテナンスソリューション
テレコムビジネス事業本部 事業企画部長の庄司修氏は、ドローン・AI・MRを活用し、通信設備など社会インフラの保守点検業務の効率化を目指すと話す。
NTTコムウェアは、撮影データなどドローンを活用する際に必要な情報を一元的に管理する「ドロポ」を発表した。
また、2018年度末より提供開始を目指す、撮影画像を3Dモデル化する「KnowledgeMap 4D」と、すでに販売している画像認識AI「Deeptector」を組み合わせることで、仮想空間上での目視点検・診断・記録を可能にするという。
そして、現在開発中のドローンの飛行や設備の措置・修繕をMR技術で支援するツール「KnowledgeMap xR」を組み合わせることで、社会インフラのメンテナンスを効率化することができるという。
また、「NTT COMWARE'S DAY 2018」では、ミニドローンによるデモも行われた。
2.中山間地域の住民支援、生活の質の向上をドローン×AIで実現
続いて、ネットワーククラウド事業本部 サービスプロバイダ部 担当部長の佐々木秀紀氏が、島根県益田市で2018年11月から翌3月まで行う実証実験について紹介した。
NTTコムウェアは、ドローンクリエイト、ミツイワ、セベック、JUAVACと共同で中山間部に居住する高齢者などの生活の質向上を目指し、ドローンとAIを活用した物資輸送の実証実験を行う。 実験では、島根県益田市安富町の宅配弁当業者から自動車教習所までの約1.3kmをドローンが往復、物資を輸送するという。同時に荷受側である高齢者の健康状態を赤外線で確認し、異常がみられた場合は医療機関や行政に通知するという。
この実験でNTTコムウェアは、画像認識AI「Deeptector」による安全着陸・再離陸支援、荷受状況、健康状態抽出を担当する。
3.サブスクリプションビジネスを支援する料金請求プラットフォームを提供
テレコムビジネス事業本部 ビリングソリューション部長の大橋洋氏が、企業のサブスクリプションへの事業転換を支援する料金請求プラットフォーム「Smart Billing」を紹介した。
企業は「Smart Billing」の導入により、サブスクリプションビジネスにおける商品管理、契約管理、請求・回収、会計、分析といった一連の機能をクラウド環境で行うことができるという。また、一部の業務で既存システムを利用されている企業に対しても、「Smart Billing」の標準APIを利用することで、CRMやERPなどの基幹システムや他社SaaSとも情報連携することが可能だという。
大橋氏は、このサービスを2019年4月からの提供を目指すと話した。
4.DevSecOpsへ対応した開発環境クラウドの提供
最後に、ネットワーククラウド事業本部 DevOps サービスセンタ長の川口篤史氏が、企業のDevOpsを推進する開発環境クラウドサービス「SmartCloud DevaaS 2.0」の、DevSecOps・クラウドIDEへの対応を発表した。これにより、導入企業は、どの環境・端末であっても、Webブラウザ上で開発作業が可能になるという。