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問題に名前をつける「外在化」の威力を知る──「組織的対話」に存在する障壁の高さを解消するには?

『ナラティヴ・アプローチ』ワークショップレポート【後編】

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 2018年11月、Biz/Zine編集部の主催にて「組織変革のための『ナラティヴ・アプローチ』ワークショップ」が開催された。埼玉大学大学院准教授 宇田川 元一氏、Transform (トランスフォーム合同会社) 共同創業者 稲墻 聡一郎氏、at Will Work 理事 猪熊 真理子氏という講師陣によりワークショップが進行した。ナラティヴ・アプローチの思想的背景やポイントについてのレクチャー内容をお伝えした前編に続き、本編では参加者のワークと講師陣との対話の内容をレポートする。

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「知っている」を「できる」にする方法をワークショップで学ぶ

 宇田川氏によるナラティヴ・アプローチに関するレクチャーを受け、参加者からは「話の内容は非常に納得がいき、ぜひ自分も対話をしたい。しかし、会社でどう実践すれば良いのかわからない」という感想が多く挙がった。その後のワークショップは、まさにその実践の方法を体験から学ぶ機会が提供された。

 最初に稲墻氏によって行われた2つの短いワークでは、参加者たちが自分のコミュニケーションの癖に気づいたり、人によってものの見え方が異なることを認識したりした。ネタバレにならないよう詳しい内容の紹介は控えるが、前段の宇田川氏の話でも強調されていた、自分の正しさをいったん脇に置き、相手のことを知って接点を見つけることの大切さを実感することができただろう。

タイトル

 その後、いよいよナラティヴ・アプローチを体験するにあたり、まずはインプロ(improvisation:即興)形式のワークが行われた。これは、その場で与えられた設定と配役に基づき、役柄の気持ちを想像しながらロールプレイングをするというものだ。

 インプロの設定シートには、あるIT企業に勤める上司Aとその部下Bについて、最近の部署の業績や2人の仕事とそれに対するマインド、互いに対して抱えている不満などが記述されている。今回、参加者は別々の組織から集まっているが、この設定でインプロを行うことで、組織内の上司・部下関係でのナラティヴ・アプローチを疑似体験できるというわけだ。

 2人1組になってAとBの配役を決めた参加者たちは、自分と相手の不満の原因や気持ちを考えてワークシートに書き出してシェアした後、まずはナラティヴ・アプローチではなく通常の個人面談のロールプレイングを行った。これを通して役の気持ちになりきった後、ナラティヴ・アプローチに取り組む準備として、ワークシートに以下のようなことを書き出した。

  1. 自分(上司Aまたは部下B)のこうありたいという理想の状態はどういうものか?
  2. 1のありたい姿を叶えるために、今どんなモヤモヤや葛藤があるか?
  3. モヤモヤしている状態を、絵や色を使って描くと?

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