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業績回復が示した「営業を科学する」意義 ソフトブレーン営業本部長の長田さんに聞く

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なぜ、営業関連ツールは営業部門に使ってもらえないのか

――個別最適なツールを導入してしまう理由はあるのでしょうか。

検討段階からミスが起きているんです。たとえば、グループウェアは10年以上前から採用されていますよね。個人の手帳でスケジュール管理をしていたのが、グループウェアを採用することで共有化できるようになったので、10年前には大きなメリットがあったのです。

しかし、今の営業マネージャーの方のよくあるお悩みに、「うちの営業は、行きやすいところにばっかり行くんだよ」というものがあります。グループウェアによってどのクライアントを訪問しているかはわかっても、その結果売上アップに直結する行動になっていない。営業マネジメントツールとして使えていないわけです。当時はそこまで求めていなかったので仕方ないのですが、今のニーズには応えられなくなっている。いま流行りの名刺管理ツールであっても同様のことが起きています。

トップ営業マンは、この状況であっても、売れる可能性が高い訪問先から優先して訪問していきます。しかし、10人いたら2人くらいでしょう。残りの8人は、自分が行きやすいところ、呼ばれたところから訪問してしまう。カンに頼っているということです。PDCAでいう「Plan」で誤ったスタートを切っているので、「Do」もうまくいかない。成果が出ないとマネージャーは、「もっと訪問件数を増やせ!」と根性論を振りかざす。でも、最近の潮流で残業ができない。そして、使いにくいツールは使われず、Excelで結果報告だけがなされるので、マネージャーのアドバイスも不的確になる。ITが多少入ろうが、本質が変わっていないのです。

長田順三

――日々、ツールを使っていて課題は感じつつも、俯瞰して全体を見ていないので本質がわからないのかもしれませんね。

提案するツールベンダーにも課題はあると思います。でも、すでに個別最適なツールを単体で提案することが通用する時代ではなくなってきていると思います。

――どうしたら個別最適にならずにSalesTechツールを導入・活用できるのでしょうか。

システム部門の方が悪いわけではありません。彼らは、「こういうツールを導入したい」とオーダーを受け、調査し、RFPを作成し、比較検討して導入を決定します。しかしこれは、典型的な失敗パターンでもあります。サーバーなど、IT製品ならこのやりかたが正しいのですが、CRMやSFAのような業務の課題改善を行うツールには適しません。

売上アップや残業抑制など目的を明確にし、日々の営業現場でいかに定着するかを考えたうえで、いくつかあるツールのうち最適なものを選ばなければいけない。その前提がない状態でCRMやSFAを比較しても、機能やコストはどれも似たり寄ったりなんです。さらに、目的を明確にし、現場に定着させることを前提に取り組むと、初期の段階から営業部門のトップが巻き込まれていくことで、導入後も自分ごととして、ユーザー部門が使っていこうとしますし、課題が発生しても解決しようとするものです。

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自社のサービスを使い切っているから、心からの提案ができる

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