企業が変化し続けるけるための道標、収益における“7つのフェーズ”とは?
前田ヒロ氏(BEENEXT Managing Partner、以下、前田):ツォさんは、2007年にZuoraを創業し、2018年にニューヨーク証券取引所へ上場されました。その前は、セールスフォースの11番目の社員としてご活躍されています。
Tien Tzuo氏(Zuora Inc. CEO、以下、ツォ):セールスフォースは様々なスタートアップの神髄が集まった、素晴らしい会社でした。常に「ソフトウェアはインターネットの時代に何を意味するのか」という問いのもとにビジョンやゴールを描き、今日のCRM(顧客関係管理)の基礎を開発しました。その経験はもちろんZuoraに生かされていますが、それがすべてではありません。
前田:本日は、Zuoraの成長を通して、サブスクリプション企業が継続的に収益を上げていく方法についてツォさんにお話いただきます。そこで参考となるのが、山登りになぞらえた成長モデルです。企業の成長を収益ごとに7つのフェーズに分け、そのときに何が重要かを表しています。
- アイデアの証明(0ドル〜100万ドル)
- 製品の証明(100万ドル〜300万ドル)
- 市場の証明(300万ドル〜1,000万ドル)
- ビジネスモデルの証明(1,000万ドル〜3,000万ドル)
- ビジョンの証明3,000万ドル〜1億ドル
- 業界の証明1億ドル〜3億ドル
- 会社の証明3億ドル〜10億ドル
はじめに、なぜツォさんはこのモデルを考えられたのか、教えてください。
ツォ:急成長する企業は、ある一定の売上げを達成するごとに、変化を求められます。過去にとらわれず、常に生まれ変わるためには、会社の発展を段階的に考えていかなくてはなりません。ですから、収益ごとにフェーズを分け、どのような文脈で仕事をするべきかを定義しました。経営層にとっての、道標にもなると思います。