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Purposeを起点とした新しい経営

経営の北極星としての“Purpose”──パーパス・マネジメントが企業にもたらす4つの利点とは?

第1回

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組織の“価値観”と“社会的意義”を表現するPurpose

 まずは、「Purpose(パーパス)」の定義を明確にしていきます。

 Purposeという英単語は、「目的」と翻訳されることが一般的です。それも間違いではないのですが、今回の文脈では、「存在意義」という訳の方がしっくりときます。

 Purposeとは、自分たちの組織がなぜ存在しているのかを表現することです。「この組織は何のために存在しているのか?」という問いへのシンプルな答えをPurposeで表します。

 Purposeがあることによって、一貫性のある戦略を描くことができ、組織に一体感が生まれます。また、Purposeに共感した社員が高いモチベーションでその能力と創造性を発揮することで、大きな価値を生むことができます。さらに、Purposeから生まれた商品・サービスが顧客の共感や支持を生み、それが売上利益となり、企業の持続的な繁栄をもたらします。

 Purposeには、「その組織の価値観」「社会的な意義」が含まれている必要があります。Purposeが注目されるようになり、組織の価値観を表現する組織は増えてきました。しかし、「社会的な意義」まで具体的に表現できていない組織が多いように感じています。

  • 自分たちが活動することで、世の中にはどんな良い影響があるのか?
  • 自分たちは世界のどんな課題を解決するのか?

 このような要素が入っていることが、Purposeにとって必要不可欠となります。

Purposeとミッション、ビジョンとの違い

 ここまでPurposeについて説明しました。では、ミッションやビジョンとはどのような違いがあるのでしょうか。

 ビジョンとは、ある時点において実現していたい理想的な状態の具体的な描写のことです。

 「今から10年後の2029年には、このような事業を行っていて、お客様からはこんなことを言われていて、社員はこんな風に働いていて、社会に対してはこんなインパクトをもたらしている」このように、企業として目指す具体的なシーンをビジョンと呼びます。そして、このシーンを一言で表現するものが、企業が内外に掲げている「ビジョンステートメント」です。

 「自分たちは何者でありたいか」を表現するミッションは、「自分たちは何のために存在しているのか(存在意義)」を表すPurposeとほとんど同じです。しかし、「業界でNo.1企業になる」「XX億円企業になる」というミッションは、Purposeとは異なります。また、「ミッション」という言葉には「与えられた」というニュアンスが含まれます。これもPurposeとミッションが異なる点です。

 Purposeは、

  • 社会的意義(社会に何を働きかけていきたいのか)が含まれている
  • 誰かから与えられるものではなく、自分ごととして捉えられている

ことが重要だと考えています。

 逆に言えば、これらの要素を含んでいるミッションは、Purposeと同一であるということです。

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この記事の著者

丹羽 真理(ニワ マリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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