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服部桂氏が語る、これからのVR開発に必要な“逆コペルニクス的発想”とは?

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 Facebook社が今年5月に新型VRヘッドセット「Oculus Quest」を発売した。人の目レベルの超高解像度VRヘッドセットで、単体で両手の動きもトラッキングできる。発売からわずか2週間で同ヘッドセット向けのコンテンツ販売は、500万ドル(およそ5億4000万円)の売上を達成したと報告され、話題を呼んでいる。2019年こそVR市場が活性化するのではという期待が高まる。  そんななか、1980年代からVR開発を取材してきた服部桂氏が『VR原論 人とテクノロジーの新しいリアル』を上梓。5月28日にはVRの開発のヒントとなる出版記念講演を行った。

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いま普及しているVRの用途は30年前から存在していた

 Facebook社の新型VRヘッドセット「Oculus Quest」はPCやスマホを使わない一体型ヘッドセットであり、本体価格が4万円台と手頃である。着用すると3Dの映像が見られる。ヘッドセットの中にセンサーが付いており、視界のなかで両手を動かして操作できる。

 Facebook社は、これからはVRの時代であるとし、遠隔地の人同士がVR内の会議室で打ち合わせをするといった利用方法などで、10億人のVRユーザー時代を目指すとしている。

 Facebook社だけではない。VRカタログを使う企業も増えてきている。不動産用VRカタログでは、物件の内装を360度写真で撮影して、VRで閲覧できる。また、エンターテインメント産業でもVRは普及してきている。ヘッドセットを装着し、360度の3D映像を見ながら座席の動きで体感するエンターテインメント施設はもはや一般的なものになった。

 VTuberという2Dまたは3Dのアバターを使って動画投稿を行う人も増えている。配信者がセンサーをつけて踊ったり動いたり話したりすると、女性や動物や宇宙人など様々なアバターが動きをトレースして、あたかもアバターが動いているかのように見える。それをYouTubeで配信するのがVTuberである。

 任天堂は、ダンボールを組み立て、Nintendo Switchをセットして使う「VR KIT」という商品を販売している。VR KITにセットすると、Nintendo Switchの画面は右目・左目用の画像に分けられて3D化される。ジャイロセンサーを活用してユーザーがどちらを向いているかを把握し、映像を回転させることで、ユーザーはまるでゲームの中に入り込んだような感覚で遊ぶことができる。

 3Dモデルなどを使ってまったく違うバーチャル空間を作ってしまうものだけではない。Pokémon GOのような実際の空間と仮想空間を連動したものも出てきている。また、360度カメラで撮影した動画を、使用者が角度を変えながら見られるVRの旅行番組なども出てきている。きれいに編集された番組とは違う、リアルな感覚が体験できるようになったのだ。

 このように、VRを利用した様々なサービス・仕掛け・商品が生み出されているが、服部氏は、実はすでに30年前にも同様のものはあったのだと話す。

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この記事の著者

服部 桂(ハットリ カツラ)

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