この調査では、10万を超える一般的な適性検査の結果と入社後評価のデータを分析し、AIが導きだした“人の特徴が表れる6つの資質”と約120問の質問項目で構成される独自の適性診断を利用。この適性検査を約5千人に対して行った結果、以下のような傾向がみられたという。
20代は「専門家」タイプ、30代は「指導者」タイプの年収が高い
TRANS.適性診断による「価値観タイプ」と「年収」の関係性を調べると、年代ごとに年収が高まるタイプがいることがわかった。
20代では、内省型(思考を好む)の「専門家タイプ」が評価されやすいですが、30代では外向型(コミュニケーションを好む)の「指導者タイプ」が評価されやすく、年齢によって企業に評価されやすい価値観タイプが異なることがわかる。
20代から500万円以上稼ぐのは「イノベーター」タイプ
また、20代で500万円以上稼ぐ高年収者の割合をみると、「イノベータータイプ」は他タイプの2倍以上の出現率という結果に。若いうちから年収が高い人は「安定」や「調和」という価値観ではなく、「創造」や「結果」という価値観を持っていることがわかる。
「イノベーター」タイプは、全年代で給与が高くなりやすく、ITベンチャー代表取締役と取締役はほぼこのタイプ。出現率は約10%と希少
全年代における価値観別の平均年収をみてみると「イノベーター」タイプが最も年収が高いという結果になった。一方、それぞれの「価値観タイプ」の出現率をみてみると、「イノベーター」タイプは11%に過ぎず、希少な価値観であることがわかる。
一方、ITベンチャー企業の経営者20名の価値観を調査したところ、本調査ではすべての社長(代表取締役)が「イノベーター」タイプであることがわかった。また取締役全体でも8割が「イノベーター」タイプだったという。
この調査結果に関して、トランス代表取締役の塚本鋭氏は「昨今、日本の大企業においては、従来のビジネスモデルから脱却し、新しい成長戦略を描くことが求められています。その中で、新規事業を担うことができる人材の発掘・育成は各社の人事課題の1つとなっており、様々なアセスメントが実施されています。今回の調査では、ITベンチャー社長に多い『イノベーター』タイプの人材特徴が定量化できました。『イノベーター』タイプは、『創造』と『結果』を重視する価値観を持つ希少な人材であり、新規事業の成功確率を高められる人材です。大企業は、『価値観』の分析を行うことで、新規事業を担う人材の発掘を効率的に進められる可能性があるでしょう」と話した。