アクセンチュアは、日本を含む17カ国、13の業界で、組み立て製造と製薬や化学製造などのプロセス製造を代表する企業の上級役職者1,350人を対象に調査を実施した。調査対象となった全ての企業がPoCの後もイノベーション拡大に向けた取り組みに投資を継続させていた一方、期待どおりの収益をあげた優秀企業は、わずか22という結果だった。
優秀企業は、実施したPoCの半数以上を本格化し、同業他社を上回る収益をあげている。アクセンチュアの調査では、優秀企業が目標としていたRODIは平均22.2%だが、実際のRODIは25.4%だったという結果となった。
これらの優秀企業に該当しなかった78%の企業は、RODIが非常に低かったという結果に。優秀企業とほぼ同数のPoCを本格化したものの、RODIが目標を下回った企業(第2群企業)は、調査対象の約65%であり、7.1%のRODIという目標に対し、実際は6.4%しか達成できていなかった。また、本格化したPoCの数が半数未満で、RODIが目標を下回った企業(第3群企業)は、11.4%の目標に対し、実際は9.7%しか達成できていなかったという。
アクセンチュアは、イノベーションを拡大させ、他社よりも大きな成功を収めている優秀企業の共通点として、以下の4点を挙げた。
- イノベーションを促す価値を定義
- 対外的な価値向上と内部変革の両立を重視
- 各事業部門でイノベーションを実現
- 社内にイノベーション専門組織を創設
アクセンチュアでインダストリーX.0事業を統括するマネジング・ディレクターのエイダン・クイリガン(Aidan Quilligan)氏は「デジタル変革を成功させるためには、主力部門におけるデジタルをテコにして、社内から改革を進めることが不可欠です。優秀企業は顧客が最も重視する価値を最初に特定した上で、その価値を実現するためにデジタル専門組織を創設し、組織全体の力を引き出していきます。このようにして、優秀企業はあらゆる企業が直面するイノベーションの課題を克服しているのです」と話した。