日本企業がグローバルで目指すべき、地域コンテクストを重視した事業開発
安西:ベルカンティの「意味のイノベーション」は、私がこれまで取り組んできた「ローカリゼーションマップ」とも重なるところがあります。四象限のマトリックスで左を地域コンテクストが高い、右を地域コンテクストが低い、下をローカル市場、上をグローバル市場とすると、これまでグローバルに成功するのは、地域コンテクストが低くかつ大量に生産された良質のプロダクトでした。なぜなら、グローバルになればなるほど価値観や慣習、文化が異なるため、地域コンテクストの低いもの、またはユニバーサルでなければ理解されにくいものだったからです。
けれども今はテクノロジーによって安く大量に生産されたものはコモディティ化し、人々は満足できなくなってきた。日本の大手家電メーカーもことごとくグローバル展開に挑んで、撤退を余儀なくされてきました。そこで今注目されているのが、グローバルで地域コンテクストの高い領域です。第二象限です。