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カスタマーサクセスの実践知

ベルフェイスはどのように顧客の成功を目指しているのか──機能を分担したカスタマーサクセス組織づくり

第2回

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 前回は、企業におけるカスタマーサクセスの役割を「提供サービスの熟知」「顧客の理解」「プロダクトフィードバック」という3つの観点から解説しました。  顧客の成功のために全力を尽くし顧客の利益に貢献すれば、自分たちの利益にも返ってきます。カスタマーサクセスは、商いの原則であり、突き詰めると「職種・仕事」ではなく「概念・理念」だといえるのです。  この考えをもって企業がカスタマーサクセスを追求していくと、業務を細分化し、役割分担をする必要があることに気づきます。企業やサービスによってそれらの実現方法は様々ですが、今回は、我々ベルフェイスの取り組みを例としてご紹介していきます。

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継続利用のスタートダッシュとなる「オンボーディング」

 ベルフェイスのカスタマーサクセス部門は、大きく分けて以下の4つのグループに分かれています。

  • カスタマーサクセス
  • カスタマーマーケティング(オペレーション)
  • テクニカルサポート
  • CS-HR(カスタマーサクセスの採用・教育を行う)

ベルフェイスのカスタマーサクセスのイメージ図

 このうち、直接顧客と接する役割を担う「カスタマーサクセス」と「カスタマーマーケティング(オペレーション)」が、どのような考え方・仕組みで動いているかを説明していきます。

 「カスタマーサクセス」グループは、1対1で顧客と相対するハイタッチ型の支援をするメンバーで構成されています。グループ内では顧客の規模に応じて、大手企業を担当する「EP(Enterprise)チーム」と、中小企業を担当する「SMB(Small to Medium Business)チーム」に分かれています。

 カスタマーサクセスグループでは、顧客の状態にあわせて

  • オンボーディング
  • カスタマーグロース
  • アップセル・エクスパンションの実現、ダウンセル・チャーンの阻止

という3つの施策を行っています。一社当たりの規模が大きい大手企業を担当するEPチームでは、各社の体制や文化を理解して運用する必要があるので、専属の担当者が一気通貫で対応しています。また、多くの企業を同時に担当するSMBチームでは、なるべく多くの企業に高いレベルで対応する必要があるので、施策ごとに専門の担当者が複数社に対応するようにしています。

 では、それぞれの施策を詳しく説明していきます。

1.オンボーディング

 契約完了がカスタマーサクセスのスタートです。長くサービスを使ってもらうためにも、顧客企業に対して導入サポートをしていきます。顧客がサービスを使って成功に向かって始動する様子から、船出の支援になぞらえて「オンボーディング」と呼んでいます。

 ベルフェイスでは、サービスを導入した背景を社内に落とし込むことからはじまり、実際にサービスをご利用いただくための操作方法を覚えていただいたり、サービスを使って営業をするためのロープレを実施したりしています。ベルフェイスの場合は約2ヵ月間に渡り、オンボーディングプログラムが展開されていきます。また、顧客の目指すゴールをヒアリングし、ときには一緒に設計、共有するのも、このタイミングです。

 このフェーズを顧客と共にどれだけ向き合えるかで、以降のサービスの活用度や、解約率(Churn Rate)は大きく変化していきます。

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この記事の著者

小林 泰己(コバヤシ タイキ)

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