SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

ブランド駆動型ビジネスの構築と実践

顧客不在のコーポレートビジョンでは事業は生まれない──ブランドビジョンで駆動するビジネス変革とは?

第1回

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

 ブランディングと聞くと、多くの人はマーケティング領域のテーマだと考えるだろう。経営者や新規事業開発の担当者にとって、重要ではあるが最優先ではないテーマかもしれない。確かに、ブランディングを従来通りに捉えていればそれも否めない。しかし、ブランディングを「ブランド駆動型ビジネスの構築と実践」と捉えると、ブランディングこそ企業変革、新規事業開発、あるいはデジタルトランスフォーメーションを成功させるキーファクターだと認識できるようになる。  本連載では、事業開発の有力な手法としての“新たなブランディング”を解説していきたい。まずは、コミュニケーション施策の一つとして捉えられている従来の意味でのブランディングを整理し、新たな定義の提案から始めたい。

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

企業と顧客のコミュニケーションにおける「三つのアプローチ」

 2018年5月に経済産業省が発表した『「デザイン経営」宣言』は、ブランドについてこのように触れている。

顧客が企業と接点を持つあらゆる体験に、その価値や意志を徹底させ、一貫したメッセージとして伝わることで、他の企業では代替できないと顧客が思うブランド価値が生まれる。*1

 多くの人にとってこのテキストは妥当なものだろう。ここでのブランド価値をブランドと同義だとすると、ブランディングとは「あらゆる顧客接点で、企業の価値や意志を徹底させ、一貫したメッセージを伝えること」になる。しかしそれは具体的に何をしたら可能なのだろうか? 多くのビジネスパーソンのブランディングの理解もおそらくここで止まっている。

 ブランディングはもっと具体的で戦略的な手法として語られるべきだ。先述の『「デザイン経営」宣言』の中で、ブランドは企業活動のあくまで成果であると語られている。そのためには「一貫したメッセージを伝えること」に成功しなければならないというわけだが、その先の道標がない。経営者や事業開発担当者は、いつもここでブランディングに頼りなさを感じるのではないだろうか。

 ブランディングが企業と顧客の関係性の在り方であることに間違いはない。そこには企業と顧客のコミュニケーション戦略が関わってくる。ブランディングを再定義するにあたりまずはここから整理したい。

 企業と顧客のコミュニケーションにおけるコンセプトは三つある。

 一つ目は、企業の強みや特徴をエッセンスとして抽出して、それを顧客に伝えて定着させるための「セールスコンセプト」。二つ目は、市場を分析しターゲット顧客を定め、競合他社と差別化されたポジションを獲得するための「マーケティングコンセプト」。そして、三つ目が、顧客とともに探求するテーマを定め、その探求を通して顧客に体験価値を提供する「ブランドコンセプト」である。そしてこれらそれぞれをCAN型、MUST型、WILL型アプローチと呼んでいる。

ブランドビジョン

*1.出典『「デザイン経営 」宣⾔』(経済産業省・特許庁 産業競争⼒とデザインを考える研究会 2018.5.23 )

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
デジタル時代の事業開発に新たな「ブランディング」が必要な理由

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
ブランド駆動型ビジネスの構築と実践連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡村 忠征(オカムラ タダマサ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング