“顧客不在”のコーポレートビジョンは事業を生まない
WILLから導き出されるものとして「ブランドビジョン」がある。このブランドビジョンを解説する前に、従来のブランディングの標準的枠組みであるVISION、MISSION、VALUEに代表される「コーポレートビジョン」の課題を解説しておきたい。
企業ブランディングにおいて、VISION、MISSION、VALUEの策定は欠かせない。ブランディングのプロセスにおいてまずはこれらの定義づけから行うことは標準的な取り組みである。一方で、新規事業開発のプロセスで、企業理念の位置づけほど曖昧なものもない。身も蓋もなく言えば、新規事業開発において企業理念は「一旦脇に置いておく」扱いを受けていることが多い。それはなぜだろうか。