クリエイティビティと生産性を高める「幸せな組織」とは?
イベントを主宰するアイディール・リーダーズ株式会社の永井恒男氏は、自社の組織運営に関しても、組織運営のコンサルティングを行うクライアント企業に対しても、「ワクワク楽しく前向きに、一人ひとりの成長や目標達成を喜ぶ社内文化を作ること」を重視している。
「感情は、経営や仕事には関係ないというのが既存の考え方です。しかし、特にBtoCを見てもわかるように、商品やサービスはお客様を感動させるものです。お客様の感情を揺り動かそうとしているのに、働く側は感情を無視するなんて、非論理的だと思います。『ワクワク』を目指してうまくいかなかった事例なんて聞いたことがないですしね」
GCストーリー株式会社の萩原典子氏も永井氏同様に、これからの組織では、社員がワクワクすること、幸せであることが非常に重要だと話す。なぜなら、社員が感情を動かさずに指示されたことをやればいい時代ではなく、社員のクリエイティビティが企業に必要不可欠な時代だからである。GCストーリーは、従業員数80名の看板の施工管理を行う企業だが、企業理念は「全従業員が幸福で調和し」から始まっており、とにかく幸福にこだわっている。
「創業以来15年、幸せを科学し続けてきたのですが、最近になって研究でそれが正しいことが示されてきて、自信を持てるようになりました。米イリノイ大学心理学部名誉教授、エド・ディーナー氏らの研究では、主観的幸福度の高い人はそうでない人に比べて創造性は3倍、生産性は1.3倍高いそうなんです。また、数年前にGoogleが効果的なチームを可能とする条件は何かを探るために行った『Project Aristotle』では、何がチームの効果性に影響を与えているかを突き詰めました。その中で最も重要だと言われているのは『心理的安全性の高さ』です。心理的安全性が高い状況とは、失敗したときに何も批判されず、受け入れてもらえる状況です。私たちも心理的安全性の高い職場を作るためにいろいろな工夫をしています」