この調査で、社員が「個人が生かされるようになった」「組織に協働・共創が生まれた」と感じるような「個と組織の両方を生かす」働き方改革が、生産性向上や事業成果創出につながることがわかった。さらに、最も高い成果を生み出すためには、「個を生かす」「組織を生かす」の両面を満たすことが大切であることが明らかになった。
調査結果では、「働き方改革」により「個と組織の両方を生かす変化が起こった」と感じている回答者群は、組織面の成果である「生産性と事業成果の向上」「働き方の柔軟化・多様化」を最も実感していた。また、個人面の成果についても「働きがい(ワーク・エンゲージメント)を感じやすい」「燃え尽き症候群(バーン・アウト)や仕事に無意味さを感じにくい」と回答している。
「働き方改革」により、社員が「個を生かす変化が起こった」と感じている回答者群(個高群)の「個人面の成果」が最も大きく、また「組織を生かす変化が起こった」と感じている回答者群(組織高群)の「組織面の成果」が最も大きいわけではないことがわかった。
「働き方改革」により「個と組織の両方を生かす変化が起こった」と感じている回答者群は、「労働時間が短い」「社員の離職率がそれほど高くない」「組織の柔軟性を高める人的資源マネジメントが導入されている」「職務の自律性が高い」といった特徴がある。
また、回答者群の所属する組織の「働き方改革」の打ち手として「労働時間の抑制」を行っている、「法改正対応」だけでなく、「従業員の長期的なキャリアの充実」を目的として掲げていることがわかった。
働き方改革の進め方では、「経営が重要な取り組みとして語る」、「従業員の意見が反映される機会がある」、「事業や部門の事情が考慮されている」ことを特徴としており、また社員が「自分ごととして捉えることができて、一部の限られた人のための施策だとは感じていない」ことの影響が大きいことがわかった。