安全・安心な買い物環境のための“防疫プロトコル”と3つの戦略的視点
コロナ禍による様々な環境変化、ニューノーマル(新常態)と呼ばれる社会環境でビジネス上考慮すべき点は多いが、特に小売業においては、「ソーシャルディスタンス」がインパクトを与えるキーワードになっている。
小売業はこれまで、顧客といかにタッチポイントを増やし、ハイタッチな接客を行うかという点に価値を追求してきた。そんな中、まったく対極の価値観である、ディスタンスを保つことが命題となった。
この状況に対応するためイオンでは、グループ全体でコロナ禍のニューノーマルにおける“イオン防疫プロトコル”を策定。キープディスタンスに加えて、手指の消毒やマスクの着用、換気、会話を控えるなど、安全を保つためのプロトコルを取り決めることで、リアルな場での買い物に対する抵抗感を少しでも下げることを目指しているという。
その上でニューノーマルにおける戦略の視点として、よく言われる「非接触」「非対面」というキーワードに「非回遊」という視点も加えて、小売の現場で出来ることを模索していった、と山本氏は語る。
例えばタッチポイントのニューノーマル対応として、デジタルを活用した非対面での販売形式や、接触するタッチポイントを変える取り組み、従業員の働き方の見直しなどに着手。「店内」「バックストア」「自宅」の3つの場に着目して、リテール改革に取り組み始めたのだ。