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新しい金融のカタチ

“意味のある”顧客接点を起点に金融サービスを展開していく新たなプレーヤーたち

第2回

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高頻度な顧客接点から生まれたアント・フィナンシャルの金融サービス

 アリペイは、決済サービスを通じて高頻度な顧客接点を獲得すると、アプリ上で様々な付随サービスを提供しはじめました。アリペイを使っていれば、改めてクレジットカードなどの決済手段を設定しなくてもスムーズに支払いができるため、その利便性の高さから広くサービスが利用されるようになりました。現在では、航空券・鉄道チケットの予約、配送、健康管理、家計簿、自動車管理などなどありとあらゆるサービスが利用可能になっており、アリペイは「スーパーアプリ」と呼ばれています。アリババグループは、アリペイ上で提供される多様なサービスを通じて高頻度な顧客接点を獲得することで、どのユーザーがどのサービスをいつ使い、何にお金を投じているのかというデータを包括的に収集することが可能になり、ユーザーを圧倒的に理解する存在となりました。

 こうなると、サービスを開発する企業は、アリペイを通じて提供した方が簡単に集客できるため、アリペイとの提携を選ぶようになります。たとえば、タクシー配車サービスを始めた会社が自社でアプリを開発し、マーケティングを行ってユーザーを獲得するよりも、アリペイ上から簡単に起動できさえすれば圧倒的に簡単にユーザーを集めることができます。このようにしてアリペイは、プラットフォーマーとしての地位を確立していきました。

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この記事の著者

伊藤 祐一郎(イトウ ユウイチロウ)

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