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マツモトキヨシ西田浩氏が語る、異色のキャリアで培った“パートナーとしての経理”に必要なこと

ゲスト:株式会社マツモトキヨシホールディングス 管理本部 財務経理部長 西田浩氏

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営業、税理士資格取得、海外現地法人、経営企画などを経て、経理部長として上場を経験

前田康二郎氏(流創株式会社 代表取締役、以下敬称略):西田さんは、これまでどのようなキャリアを積んでこられたのでしょうか。

西田浩氏(株式会社マツモトキヨシホールディングス 管理本部 財務経理部長):大学を出て新卒で食品メーカーに入社し、営業に配属されました。最初の7年は家庭向けの商品担当として、スーパーのバイヤーが主な商談相手でした。次の7年は外食店向け商品をレストランオーナーなどに向けて販売していました。

 合計で14年、営業現場での経験を積み、社会や商売の仕組みを一から学びましたが、社内には自分よりも優秀な営業がたくさんいました。「このままでは埋没するな」と感じ、働きながら取得することができる最高峰の資格である税理士を目指そうと考え、なんとか無事合格しました。会社にその旨を説明したところ、「せっかくそういう資格を取ったのなら、経理の仕事をしなさい」と言われ、経理の道に足を踏み入れました。

前田:その後、中国に赴任されたとか。

西田:はい。経理を二年ほどやった頃に、会社が中国に進出することになりました。最初の一年半から二年近くは経理部に所属したまま現地に出張し、事業計画を組んだり、現地の会計事務所や税務局に行って必要な会計処理や駐在員の納税について調べたり、本当に一から積み上げていくような形でした。

 現地法人設立後、財務部長として現地に駐在することになりました。国が違えば法律が違いますので、それに沿って財務・経理業務を構築していくのも、現地のローカルスタッフとコミュニケーションをとりながら進めていくのも、大変でしたね。その上、私以外の駐在員は営業や技術の担当でしたので、管理部門全般も見ることになりました。総務や人事、情報システムなど、日本では経験したことのない業務を手探りで、しかも海外でやることになったのです。

 当初は売上も計画どおりにいかず、のちに営業部門も担当することになりましたが、こちらの状況が分からない日本側とのコミュニケーションも大変でした。でも、北京五輪や上海万博の前という時代の中国は大変に活気があって、そういう国での仕事は刺激があって楽しかったです。中国人のスタッフとも一丸となって目標に向かっていけたのは、素晴らしい体験でした。

 帰国後は経営企画、CSRなどの部門を担当した後に部長として経理部に戻り、6年間務めました。この間に東証二部、一部上場に関わったり、経理部を単なる事務方から経営支援を行える戦略部門へと変革したりすることができ、よい経験でした。

前田:西田さんのように多岐にわたる経験をされている経理の方は、珍しいですよね。

西田:そうですね。私の先輩にも入社以来何十年と経理を続けてきたという方がいますし、営業から経理、それから海外法人というキャリアの経理パーソンはあまりいないと思います。

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