自社の勝ちパターンを認識し、支援者としての役割に気づく
宇田川:「ヒネルキャップ」の開発でポイントになるのは、このときは部門間や階層間の壁を横断して製品開発ができていたということです。共進化ロックインが起きている状況だと、これが難しい。そこから、イノベーションを起こすには、役割を横断して自由に発想できるような、そういう組織体なり運営体制なりが必要だよね、ということが見えてきました。
いくつかの成功事例を丁寧に棚卸ししてみて、会社の勝ちパターンを見ていくと、やるべきことが分かっていきます。これらの活動を経て、イノベーション推進室の役割そのものもだんだんと明確になっていきました。それは、社内に存在しているはずの「ポジティブデビアンス」を、かつての組織横断的な製品開発プロセスに近い形で動けるように支援することだ、ということでした。