住友商事は、量子技術の成熟を見込み、さまざまな取り組みを進めている。2020年6月には、通販物流事業を行うグループ会社のベルメゾンロジスコにて、量子コンピューティングを用いた人材配置最適化実証を実施。これにより約30パーセントの効率化(全体作業時間の低減)が示唆され、事業実装に向けた検討が進んでいる。
また、今回発足したQXプロジェクトの取り組みとして、量子技術の社会実装領域における専門人材の採用に加え、東北大学大学院情報科学研究科と共同研究契約を、慶應義塾先端科学技術研究センターと応用探索パートナー業務委託契約を締結した。今後、量子コンピューティングを活用したAIや交通制御などの技術の実用化に取り組んでいくという。
今回投資したクラシックは、ゲート型量子コンピューター向けソフトウェアの開発を容易にする技術を提供するイスラエルのスタートアップ。住友商事は、クラシックの技術開発に向けた実証実験をサポートし、将来的にはさまざまな事業領域において量子技術の現場活用を目指す。
住友商事は、QXプロジェクトを通じ、広範な事業領域を持つ総合商社として、量子技術による社会変革のリーディングカンパニーを目指すという。さらに、住友商事のグローバルCVCネットワークを生かして、量子技術の社会実装、産業利活用に役立つ優れた技術を見出し、国内外の産官学のパートナーとともに発展途上にある量子コンピューティング領域の成長と活用を探索していくとしている。