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8割超の企業でAIを利活用 デロイト トーマツが「AIガバナンス サーベイ」を発表

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 デロイト トーマツ グループは、日本企業の「AIガバナンス サーベイ」を発表した。本調査は企業におけるAIの利活用状況やリスク管理・ガバナンス構築の実態調査を目的に実施し、91件の有効回答を得ている。

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 この調査では、AIの利活用が進んでおり、その目的も新規ビジネス創出を挙げる企業が増えてきていることが示されおり、企業はAIを徹底的に活用して新たな価値を生み出す時期に本格的に入っていくと考えられる。そのためには、単独の取り組みから全社的なイノベーションに広げていくこと、それを支える標準化、効率化、ガバナンスおよび内製化に課題があることも本調査で浮かび上がってきた。またAI固有のリスクへの対処についても不十分である実態が示された。

1.85%がAIを利活用。その半数以上でPoCから本番運用までのプロセスを経ており、AI利活用の原動力に

 AIを「利活用している」と答えた回答者は85%となり、昨年度の56%と比べて29ポイント上昇し、ほぼ全ての企業でAIのビジネスへの利活用がされていることが分かった。また、このうち、本格運用前の技術検証であるPoC(Proof of Concept)を実施している企業は70%となり、昨年の47%から23ポイント上昇、さらに、PoCを実施した回答者のうち81%が本番運用まで至っている(昨年度73%)。PoCを実施し、本番運用に至るプロセスを通じてAIの利活用を行う企業は全体の56%となっている。これは、昨年度の33%と比較して、大きく進んでおり、AIの利活用の原動力になっていることがわかる。

2.AIへの投資目的は、業務効率化が多いものの、新規ビジネス創出目的が既存ビジネス売上増を上回る

 AIへの投資目的には、昨年同様「業務効率化」(86%)や「コスト削減」(58%)といった投資の成果が見積もりやすい領域から取り組む回答が多く見られた(図表1)。一方、昨年45%だった「新規ビジネス創出」が11ポイント増の56%となり、「既存ビジネス売上拡大」(49%)を上回り、AIを既存ビジネスだけではなく、新しいビジネスにも活用していこうとする様子も見て取れた。COVID-19の影響により社会変容が起きる中で、企業が事業変革に向けてAIを活用する表れと考えられる。

図表1 AI利活用目的と活用先業務ドメイン図表1 AI利活用目的と活用先業務ドメイン

3.AIを利活用した全社的なイノベーションの取り組み、それを支える標準化、効率化、ガバナンス、内製化に課題

 AI利活用に関して、戦略、人材、プロセス、データ、テクノロジーの5つの観点での課題を問いたところ、戦略における課題として「継続的なイノベーションの文化が組織に組み込まれていない」(51%)と答えた回答者が最も多く、AIの利活用が進む中で、単独の取り組みから全社的なイノベーションの取り組みに広げていくことに課題があることが伺われる。人材面では「組織的な変更を推進できる人材がいない」(52%)、プロセス面では「AIを活用するためのアジャイルなプロセスがない、十分に確立されていない」(63%)、データにおいては「データの所在が散らばっている」「データの品質管理や整備がされていない」(それぞれ46%)の回答がそれぞれ最も高い回答割合となっており、全社的なイノベーションを支える標準化・効率化・ガバナンスの課題も挙がっている。また、テクノロジー領域では「適切なベンダー選定が行えていない」(25%)に比較して、「内製化が進んでいない、内製化で取り組むべき範囲が明確になっていない」の回答が63%と高い割合を示しており、標準化・効率化・ガバナンスの実現に向け、内製化を進める必要性を感じていると考えられる。

4.AI固有のリスクの存在に気付いても、その対処方法に課題を抱えている傾向が示される

 AI活用におけるリスクについて対応状況を尋ねたところ「認識しているが対処法がわからない」と回答した回答者はどのリスク項目においても20%程度存在した(図表2)。AI固有のリスクの存在に気付いていても、その対処方法について課題を抱えている傾向にあると言える。また、「そのようなリスクのあるAIを利用していない」と答えた回答者がどの項目でも一番多く、リスクの小さいAIから活用を進め、AIの利用範囲が限定的になっている可能性が示唆された。

図表2 AI活用時のリスクへの対応状況図表2 AI活用時のリスクへの対応状況

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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