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ビジョナリーじゃなくてもいい──髙島社長が語る、「存在意義」と「変化の予兆」への対応とは?

第1回ゲスト:オイシックス・ラ・大地株式会社 代表取締役社長 髙島 宏平氏

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スムーズだった経営統合、変化の兆しへの対応

嶺井 政人氏(グロース・キャピタル株式会社 代表取締役社長、以下敬称略):本当に大きな会社同士、しかも2年連続の経営統合となると相当大変だったのではないでしょうか。特に大変だったことや想定外だったことは?

髙島 宏平氏(オイシックス・ラ・大地株式会社 代表取締役社長、以下敬称略):総じて思ったほど大変ではなかったんです。これは、社員みんなに感謝しているところでもあるんですが、経営統合そのものはそれほど苦労しなかった。その際、すごく意味があったなと思うのは、物理的に同じ空間にオフィスを作ったことです。

嶺井:どのような意図でそうされたのですか?

髙島:やはりコミュニケーション。経営統合のスムーズさはコミュニケーションボリュームに比例する、ということは確実に言えます。同じ空間にいると、対話が一点からの放射線状ではなく、あちこちで起こります。なおかつ、3つの組織が一緒になったことで、誰が大地を守る会の人で誰がらでぃっしゅぼーやの人、Oisixの人だかお互いにわからないカオスな状態になったことも、結果として一層コミュニケーションを促進していたように思います。

 さらには、結局3社とも同じ思いを持ってやっていたことが大きいですね。「より良い食卓を作りたい」とか「農家さんにとっても頑張りがいのある社会にしたい」という共通した思いを持っていた。だからすぐに仲良くなれたというのがあります。

嶺井:なるほど。

髙島:問題は経営統合そのものではないところにありました。社内でのコミュニケーション量が多かったことで経営統合自体はうまくいったのですが、その分、組織がちょっと内向きになってしまったんです。毎日出社するだけでも新鮮だし、社内コミュニケーションに時間が取られるので、経営統合後の2年間は、社会の変化に対応する力は少し弱まったかなと感じています。

嶺井:どうあると良かったと思いますか?

髙島:もし次に機会があるとしたら、コミュニケーションに関しては少し絞るかもしれないです。スムーズな経営統合は気持ちがいいのですが、経営者としては外部変化への対応もしっかりやらないと失格ですよね。スムーズであることは必ずしも大事ではなく、より大事なのは結果。僕らの場合は、経営統合が完了してからCovid-19の感染拡大が起こったので、大きな社会的変化への対応はある程度準備が整っていました。しかし、外部環境の変化状況によっては、社内コミュニケーションよりも変化の兆しを察知することに力点を置く意思決定をする可能性はあります。

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