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成功するイノベーションメソッドを理解し実践する8冊

『成功するイノベーションは何が違うのか?』/他7冊

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 イノベーションをハウツー本に頼るのは何とも皮肉なことだ。必ずイノベーションが実現するような手法があるなら、イノベーションはこれほど難しいものではないはずだし、本に書いてある通りにやってみたところで、それほど斬新なビジネスが生まれることは想像しにくい。優れた旅行ガイドのように、旅先での発見を損なうことなく、上手に導いてくれる『成功するイノベーションは何が違うのか?』を中心に、現地の詳細な地図となるような8冊をご紹介しよう。最終ページには、全8冊のリンク先をまとめた。

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“The Innovator’s Method”とは何なのか?

 オープン・イノベーション、デザイン思考、ビジネスモデル、リーン・スタートアップ、エスノグラフィー…「イノベーション」の秘訣としてあまりにも多くのツールが点在していて、一体イノベーションとはどうやって興すのか、却って難しく感じてしまうかもしれない。

 今回ご紹介する『成功するイノベーションは何が違うのか?』は、一気通貫した流れでビジネスを構想し、立ち上げる手順を追ってくれる一冊だ。原題は“ The Innovator’s Method: Bringing the Lean Start-up into Your Organization ”となっており、企業内イノベーターにとってのリーン・スタートアップ手順書として、「イノベーション実現メソッド」が解説されている。

 ガイドブックの内容を紹介する前に、二点ほど共有しておきたい背景がある。

(1)企業内新規事業とスタートアップの違い

 ベンチャー企業を立ち上げるために行わないといけないことと、企業内新規事業、つまり社内ベンチャーチームが行わないといけないことの本質に違いはない。ところが、私の経験からすると、内部で事業を立ち上げようともがいているリーダーにとっては巨大な違いがあるように感じる。それは、「リーダーに対する期待」にあると私は考えている。つまり、企業内ベンチャーが進捗報告をする相手は、管理に長けたマネージャーであり、ベンチャーキャピタリストではないからだ。

 どちらもその事業が成功することを願っているには違いないが、マネージャーは失敗を減らすことに重点があるのに対し、ベンチャーキャピタリストは大きく成功させることに重きを置くからだ。マネージャーは体系立てた詳細の説明を求めるため、企業内新規事業ではクリステンセンの『イノベーションのジレンマ』で記されたように、優れたアイデアを“殺し”かねない。一方で投資家は説明している暇があったら、売込みに時間を掛けて欲しいと願うものだし、自ら客先を紹介し立ち上げを支援するようなことにまで余念がない。

 つまり一点目は、事業の不確実性をコントロールすると同時に、周囲の期待をコントロールするという難しさが社内起業家の仕事をさらに難しくしていることである。

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この記事の著者

津田 真吾(ツダ シンゴ)

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