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マネックス松本CEOとコインチェック大塚執行役員に聞く、M&Aの裏側にある成功要因とは

第3回「M&Aサクシードキャンプ」レポート:前編

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 M&Aの当事者がその裏側をリアルに語るトークイベント「M&Aサクシードキャンプ」第3回の模様を前後編でお届けする。ビジョナル・インキュベーション運営の事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」と上場ベンチャーの資金調達と成長支援を行うグロース・キャピタル株式会社の主催で2021年6月9日にオンライン開催された。前編となる本稿では、マネックスグループ株式会社代表執行役社長CEOの松本大氏と、2018年4月のM&Aにより同グループ入りしたコインチェック株式会社執行役員の大塚雄介氏によるセッション「M&Aは結婚のようなものだ〜四半期営業利益100億円突破への道〜」の内容を紹介する。モデレーターはビジョナル株式会社代表取締役社長の南壮一郎氏、グロース・キャピタル株式会社代表取締役社長の嶺井政人氏が務めた。

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※本文中にある、暗号資産という表記は2020年5月1日に施行された資金決済法の改正による名称変更に準じています。施行前の話題も暗号資産と表記しております。

最も大切なのは「何のためにM&Aをするのか」

南 壮一郎氏(ビジョナル株式会社 代表取締役社長、以下敬称略):まずは簡単に自己紹介からお願いします。

松本 大氏(マネックスグループ株式会社代表執行役社長CEO、以下敬称略):1987年に社会人になって以来、約35年間ずっと金融業に関わっています。マネックスを作ったのは22年前。最初は日本におけるオンライン証券会社でしたが、その後買収を重ね、アメリカにも大きなオンライン証券会社を持っていますし、香港、オーストラリア、中国でも展開しています。他にアセットマネジメントビジネスなどもやっています。個人的には東証の社外取締役を5年間やり、現在はマスターカードの社外取締役もやっています。金融、資本市場に関しては日・米、上場する側・引き受ける側などひと通りやってきましたね。

大塚 雄介氏(コインチェック株式会社執行役員、以下敬称略):我々コインチェックは2012年に創業し、現在はマネックスグループの子会社です。開発は和田(和田晃一良氏。同社取締役副社長執行役員)が責任者をしており、私自身はCOOとして事業ないし組織運営を担ってきました。創業当時はレジュプレスという社名でブログ投稿サイトの開発運営をしていましたが、2014年に暗号資産の交換業に。2018年に暗号通貨の一種であるNEMの流出事件が起きたことを契機に、2018年4月にマネックスの子会社になり、今に至ります。

南:直近の四半期営業利益が100億円を超えているように素晴らしいM&Aになったと思いますが、3年前のM&Aを決断した裏側にはどのような判断があったのでしょうか。

大塚:私たちは少し特殊な例かもしれないのですが、それまではいわゆる「暗号交換事業のみなし業者」としての活動だったのが、NEM流出事件があり、事業を続けていくためには金融庁による暗号資産交換業登録を取得し、経営を見直さないといけない状況がありました。ではどんなパートナーと組んでいくべきなのか。私と和田で考えていたのは、事業を売って終わりではなく、同じ速度・同じビジョンで事業を拡大していけるパートナーを選びたいということ。その文脈で出会ったのがマネックスグループでした。

南:他にも候補企業はあったと思うのですが、決め手は。

大塚:パートナーを選ぶ上では何を最優先するかが肝になると思いました。それこそ高い買収額を提示していただいた企業もあったのですが、私たちとしては事業を伸ばしていくという考え方が最優先にあり、この考え方を理解していただけることが最も重要でした。

南:マネックスグループとしてもかなり短い期間での判断だったかと思いますが、社内ではどんな議論がありましたか。

松本:我々はコインチェックのM&A以前からかなりの数の案件を行っています。その中には国内企業同士のものや国境を越えるクロスオーバーM&Aもあります。どの案件も話し始めてからクローズに至るまでにかける期間は平均で「2ヶ月」です。その中で、「何のためにM&Aをやるのか」が最も大切。相手側と何に向かって一緒にやるのか。この姿勢はこれまでに経験したM&Aすべてで貫いています。コインチェックの場合もそうでした。

 実はNEM流出事件が起こる3ヶ月前の2017年10月にマネックスグループでは「ブロックチェーンにより資本市場は今後変わっていく。マネックスグループとしてブロックチェーン、暗号資産に関連する新しいビジネスをしっかり作っていくんだ」と正式に発表[1]しています。そういう方針がまずあり、3ヶ月後にあのような事件があった。経営会議での話は今までのM&A案件と大きな違いはありませんでした。我々はブロックチェーン関連のビジネスをやろうと思っており、コインチェックはずっとやってきた。一緒にやっていく可能性があるなら追求したいという議論をしました。極めてナチュラル、ストレートだったと思います。


[1]マネックスグループ株式会社「2018年3月期第2四半期決算 説明資料」(マネックスグループニュースリリース 2017年10月27日)

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