事例でみる多言語化がビジネスにもたらす好影響
最後に早坂氏は「WOVN.io」を利用している企業の事例を紹介した。
ヤンマーホールディングスでは、グローバルでの認知向上、ブランド力強化を目指す上で、従来の運用手法では各国サイトの企業情報の充実が進まない問題を抱えていたという。
そこで、「WOVN.io」の利用でブランドガバナンスの徹底を図り、日本で一元的に多言語情報を管理、翻訳業務の効率化を進めた結果、グローバルサイトに加え、社内イントラの多言語化を短期間で実現し、全グローバル拠点への情報発信強化とともに公平性・平等性を推進。早坂氏は、同社が「WOVN.io」の導入で得られたメリットをこう話す。
「従来だと翻訳会社や社内のシステム部へ依頼していた工数を省くことができ、翻訳品質を保ちながらスピード、コストともに3分の1以上に削減していただきました。今後、さらに対応言語数を増やす予定だと聞いています」
また、富士フイルムでは、海外の現地従業員に企業理念やトップメッセージがどのくらいタイムリーに浸透しているかという疑問を抱いていたそうだ。そこで、新規グループ加入会社の従業員に、富士フイルムグループの企業理念をしっかり伝え、相互理解を促進することで企業の成長を促すことを目的に、「WOVN.io」を導入。イントラサイトを多言語化し、企業内のグローバルコミュニケーションツールとして活用した結果、海外の現地従業員からも高い評価を得られた。
小売企業の代表格である大創産業では、海外の26の国と地域に2,248店舗を展開し、現在も年間100店舗を超える海外出店を続けているが、公式ホームページは日本語のみという状態だった。そのため、在留外国人や海外の顧客に対する満足度・利便性を向上させることを目的に「WOVN.io」を導入して多言語化を展開。現在は「DAISO」としてグローバルブランドを目指し、様々な情報を国内外に向けて発信強化していく体制を作っている状態とのことだ。
一方、在留外国人向けの取り組みとして、三菱UFJ銀行では「WOVN.io」を利用して、他言語による基本的な手続き機能をインターネットバンキングで提供。三井住友カードでも同様に、会員専用Webサービスを多言語化し、コールセンターへの問い合わせ数を減らして効率化に成功した。
また、SmartHRは、HR領域でのシステム多言語化の必要が高まっていた背景を受け、「WOVN.io」を導入。外国人従業員が労務手続きしやすい環境の実現を通して、外国人従業員の多い大手企業の人事労務改革を後押しすることに力を入れた結果、機能要望に対する問い合わせが多く寄せられたとのことだ。
エイベックスでは、「WOVN.io」の利用でアーティストの海外進出やファンの多様化に対応。トレジャーデータ、ヤプリでは、多言語対応でビジネス展開を加速させている。Wovn Technologiesは、業種業態、企業規模を問わず、多くの企業の多言語化を支援しているのだ。
早坂氏は、「『WOVN.io』は既にグローバルサイトを展開している企業にもメリットがありますが、これからマーケットを増やしていきたいという企業にも非常に相性の良いソリューションです。どこの国に進出すべきか、マーケットがどこにあるかわからない場合のテストマーケティングに『WOVN.io』を試すという利用シーンも増加しています」と説明して講演を締めくくった。